懐古
最終更新:2014/8/5
作品紹介
―――これは、死骸のにおいだ。 どうして今になって思い出すのだろう。 それは子供の頃の思い出。両親が離婚して、母と一緒に祖母の家で暮らすようになってからの記憶。 小屋の中に充満する甘く不快なにおい。 ざわざわと音がする。蠢く気配がする。 手元に残ったのは淡い色の玉。 思い出すのは可愛いあの子達のこと。 開けてはいけない。 中を見てはいけないよ。 中を見なければ、あの子は今も可愛いあの子のままだから。 可愛いあの子は何処へ行ったのだろう?
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