著作権フリーおじさん
最終更新:2021/9/18
作品紹介
小学六年生の夏休み、祖父母の家に帰省したカナは、都内でモデルの仕事をしているという叔父のマナちゃんと仲良くなる。 なぜだか両親や祖父母はマナちゃんを良く思っていないようで、カナは自分だけでもマナちゃんの味方になろうと誓うのだが……。 ※ニガミ17才がYouTubeでやってた「クイズ著作権フリーおじさん」にインスパイアされた小説です。 2021/09/18改稿&過去編「二十九才の別れ」を追加しました。
評価・レビュー
5.0
弦家
大人が大人であるためにつく、やさしい嘘、身勝手な嘘
小学生のカナの前に現れた叔父の『マナちゃん』。 モデルを名乗る彼は、それまで周囲にいたどんな大人とも違う、 いわゆる悪い大人だった。 作品の、子供から見た大人の世界を通して見える、 大人が子供にどう見られたいかというささやかな夢と虚構。 そこに垣間見えるごく自然なマナちゃんのやさしさが心地よく、 彼の生き方にカナと同じようにぼんやりとした憧れを向けてしまう。 何者になれなくても、何者かになれるかもしれない。 『著作権フリーおじさん』という生き方が マナちゃんにもたらしたモノが見えるラストも 救いのようで読了感も爽やかで良い。
5.0
シャル819