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作:蝦夷縞りす

夢屋

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未評価

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最終更新:2022/5/6

作品紹介

 飄々と、どこか人を食ったような雰囲気のその男。  無精ひげを生やし濃紺の着流しに草履履き。着流しの上、肩から掛けた黒い印半纏。両襟の中ほどに達筆かつ情緒あふれる白文字でこう記されている。  夢屋、と。  ありきたりな街でごく普通の日常を繰り返す十七歳の麻衣子。 『夢屋』を名乗る男が売る夢の小瓶に魅せられたことで、麻衣子の日常は崩れていく。  少し不思議な、夢を売る男と、麻衣子の心の物語。 ノベルアッププラス様にも掲載しています。

青春ファンタジー伝奇女子高生現代ファンタジー異能力

評価・レビュー

変わらない風景、変わらない日常。そんな毎日に訪れた夢屋とは?

【物語は】  いつもの街でいつもと同じような日々を過ごす少女のモノローグから始まっていく。彼女は”変らない毎日”を好んでおり、この日もきっと同じ日常を送るはずだったのだろう。そんな彼女の目に留まったのは”夢屋”の文字だった。  好奇心の赴くまま男に近づいていくのだが……。 【主人公と街並み】  ノスタルジックな街並みを思い浮かべてしまう。  しかし”いつもの”に違和感を覚え始める。  ジャンルはファンタジーであり、タグには現代ファンタジーとある。現代が舞台であるのだろうと想像するが、読み進めていくと”おや?”と思う会話に遭遇する。  ”夢”の部分がファンタジーだと思っていたが、もしかしたら違うのかもしれないと。  主人公の言葉に、夢屋の男は”そうかい”としか言わないので、その違和感は解消されぬまま展開されていく。恐らくどこかでその謎は明かされるのだろうが、とてもミステリアスだ。 【夢屋と真実】  この不思議な男がどこからやってきて、何処へ向かうのか明らかにはされていない。しかし男の言うことを信じるならば、主人公次第なのだろう。  文中には、どちらにも取れる言い回しがあるため別の可能性も考えられる。  夢屋に出逢うまでにも伏線と感じる部分は多いが、あることをきっかけにして、何故主人公がこの街にいるのか? この街はなんなのか? 明かされていく。  徐々に雰囲気が変わっていく作品である。 【物語の見どころ】  冒頭の方から、恐らく伏線がちりばめられている。  ラストはタグにもある通りハッピーエンドとはなるが、彼女の心の変化に焦点があてられた物語だと思う。  この状況になるまでに何があったのかは後半の方で分かるが、  彼女が望んだことはなんだったのか?  どうすれば良かったのか?  そんなことも考えさせられる。  この物語を読んで、”自分自身と向き合い、他人と本音で話せば未来が変わっていく”というメッセージを感じた。  思っていることは伝えて初めて意味がある。自分一人で他人の気持ちを決めつけても、何も伝わらないということ。    主人公は既にそのことに気づき、このままではいけないと思っていたに違いない。  自分が変わらなければ、何も変わることはないということに改めて気づかされる物語です。あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?  純文学が好きな方にもおすすめしたい物語です。  あなたならこの物語の先をどう想像するだろうか?   お奨めです。

5.0

crazy's7