緋眼ノ悪魔
最終更新:2023/8/20
作品紹介
ケンカでは負け知らず。 暴力において右に出る者はいない。 どんな理不尽も暴力でねじ伏せればいい。 ……そう思っていた。〝バケモノ〟に出会うまでは―― きっかけは学園で行方不明事件が連続しているという噂だった。 その噂を耳にした翌日、白崎蓮華(しらさきれんか)は景色はそのままに人だけが消えた不思議な世界――境界世界に迷い込む。 そして出会ってしまった。火焔を操る不死の鬼――『怪異の王』に。 初めて出会う自分以上の圧倒的強者。 硬直する蓮華の瞳に、鬼は一滴の血を流し込む。 それは、人を『鬼人』に変える呪いの血だった。 タイムリミットは七日間。 その間に人間を喰うと、呪いは完了し人食いの鬼人へと成り果てる。 呪いの作用で起こる食人の欲求に抗い、蓮華は人間に戻る決意を固める。 だが、王の呪いで鬼人となった蓮華は王と同じ不死の体と国土の三分の一を焦土に変える程の力を持つ特別な存在だった。 蓮華を危険視する特務隊が蓮華の抹殺を指揮し、鬼を神と崇める教団が蓮華に人を喰わせ完全な鬼人に仕立てようと企てる。 思惑が交錯する中、暴力でねじ伏せられないものはないと思っていた蓮華は、思い知る。 バケモノの世界では、自分がいかに無力か。 何も守れない。力がなければ、奪われるだけ。 目の前で幼馴染みが冷たくなっていく。 共に戦った仲間たちさえも、今にも息絶えようとしている。 力が欲しかった。 何者にも奪わせず、何者にも屈しない、全てを蹂躙するほどの力――王をも打倒する力が。 そのためなら、たとえバケモノと言われようとも構わない―― 蓮華は一滴の人間の血を喉に下し、禁忌を犯す。 そして、なった。『緋眼ノ悪魔』と呼ばれる、災厄の鬼人に―― ※ 他サイト同時掲載
評価・レビュー
まだレビューはありません。