今世こそ負けませんわ！【Ver.Lett Ford】

　令嬢アナスタシアことアーニャはある日突然、別の世界のことを思い出した。自分が首を切られて死んだ悪虐非道の女王だったことを。 　血の繋がらない妹のメイベルこそが王家の血を引いているというのに、嫉妬し、彼女を憎み抜いて、出自を偽り女王となった。だが結局は愛する婚約者も王位も全て奪われ、呪いの言葉を吐きながら死んだ史上最低の悪女、アナスタシアこそが、自分なのだという忌まわしい記憶だ。 　アナスタシアが死ぬのは１７歳のはず。アーニャは１２歳。時間が戻ったとしか思えないが、以前の世界と違うのは、アーニャはすでに生まれた家を追い出されていて、厳しくも優しい養母と、慕ってくれる義理の弟がいることだ。おまけに以前の世界では一方的に恋をして無理矢理婚約を結んだ憎まれていたはずの婚約者は妙に優しい。 　一方で、妹のメイベルも恐ろしい妄想に取り憑かれていた。 　何度も世界を繰り返し、何度もアーニャに殺されているという妄想に。 　養母の死をきっかけに、生家ファフニール男爵家に引き取られることになったアーニャ。アーニャをなんとか追い出したいメイベル。恋で人生狂ったかつての苦い思い出があるから、二度と恋なんてしたくないし、なるべく人と関わらないようにしたいのに、否応なく怒涛の愛憎と恋愛に巻き込まれていく。 　戦争と反乱が勃発する中、貫き通す真実の愛を巡る物語。 ※主人公たちは初め子供ですが、どんどん成長していきます。 ※割と長編です。30万字くらいです。 ※以前書いた「今世こそ負けませんわ！」の改稿版です。 ※2022.10.14分かりやすくするため、タイトルの副題変えました。レット・フォードエンドになるバージョンです。