灰ノメ
最終更新:2023/3/29
作品紹介
「君との婚約を白紙に戻す」 突然の呼び出し。応じて馳せ参じてみれば、告げられたのは婚約を破棄するという一方的な宣言であった。 プリシラは意気消沈しながらもその話に頷いた。婚約者であるヴィンセントは他に好きな相手がいるらしい。これまでずっと距離を縮められず、プリシラは片思いに疲れ切っていた。もういい。さようなら。 しかし翌日、ヴィンセントから呼び出された。こんどは何だと駆けつければ、なんと彼は記憶喪失であるという。 婚約者だと紹介されて、破棄の件はヴィンセントの独断であったと知る。誰も知らない婚約破棄。 向こうが最初に勝手をして、婚約を破棄すると言ったのだ。こちらも勝手をして何が悪い。プリシラはこのまま婚約を継続すると、そう決めた。
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