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作:上郷 葵

黒ダイヤ、地底からの叫び、ガスと炎に襲われた炭鉱夫たちの命。

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最終更新:2021/3/5

作品紹介

 敗戦後の日本の復興と高度経済成長には、エネルギー源として石炭が欠かせないものであった。  かつての日本には多くの炭鉱が存在し、建ち並ぶ炭鉱住宅には、炭鉱夫とその家族が暮らしていた。  しかし、ガス突出、坑内火災、落盤事故など、炭鉱は常に死と隣り合わせの世界でもあった。  閉山が続く炭鉱町で、町の復活をかけて最新の機械を備えた新炭鉱が開かれた。  そこで働く炭鉱夫たちは、これで安心して暮らすことができると思っていたのだが、突然の事故が彼らと家族を襲うのであった。  戦後日本の繁栄を支えた名もなき者たち。  忘れてはいけない功労者たちの姿をここに。 「エブリスタ」、「小説家になろう」の両方に同一タイトルで掲載。

歴史・時代

評価・レビュー

未来の礎となった人々のドキュメンタリー

炭鉱夫が主人公の小説、と聞いて「わあ面白そう!」という人はあまりいないと思います。ましてや、エネルギーが石炭から石油へ移り変わる時代が舞台、なんて聞いたら「なんか暗そう」と敬遠してしまう人も多いのではないでしょうか。 どうかその気持ちのまま、ページを開いてみて下さい。決して明るく楽しいお話ではありませんが、ウィットに富んだ丁寧な文章によって、炭鉱町での暮らしやそこで生きる人々の苦悩が目の前に迫ってきて、気がつけば物語に没入していると思います。 小説の後半部分を占める坑道内での大事故については、作者様と浅からぬ縁のある町で実際にあった出来事のようです。非常にリアルで、ラストの展開には涙を堪えられないと思います。読み終わった後も物語のことが頭から離れなくなってしまうかもしれません。それでも、戦後の復興や高度経済成長を支え、私たちの日常の礎となった人々のドキュメンタリーをぜひ読んでいただきたいと思います。 (蛇足ですが、炭鉱や炭鉱町に関する描写がとても興味深いです。たとえば昭和なのにある程度キャッシュレスで生活できたとか。炭鉱会社指定の店を利用し代金をツケにして、後日給与から天引きされるシステムがあったらしいです。そういった小ネタや歴史が大好きな私はめちゃくちゃ前のめりになってしまいました。同志におすすめしたいです)

5.0

mu