戦国物語 ~胡蝶の夢~
最終更新:2023/9/26
作品紹介
美濃 (岐阜県)は西日本と東日本の中間にある。 故に、吉野を脱出した天武天皇は美濃で体制を整えて『壬申の乱』を起こし、この美濃にある不破の関を閉ざしたことで勝利を呼びよせ、北条泰時は美濃の墨俣で『承久の乱』に勝って鎌倉幕府第2代執権となった。 また、北朝の足利尊氏は迫ってくる北畠顕家率いる南朝軍を抑えるべく土岐頼遠を派遣し、美濃の青野原で決戦となった事もある。 どれも天下の趨勢を左右する大戦であった。 美濃は日の本の中心であり、戦国時代の乱世となった世では英雄・奸雄が跋扈した。 その一人である斉藤利政(後の道三)は、下の者が上の者を倒して成り上がる下剋上を体現し、親子二代で油売り商人から身を起こし、遂に美濃の守護代 (国主)まで上り詰めた覇者であり、『美濃の|蝮《まむし》』と恐れられた。 そんな利政が小さな赤子を抱きかかえて天に翳し、強面の顔をだらしなく崩して赤子を見つめた。 「其方は胡蝶〔夢〕だ。我が胡蝶。我が帰るべき所よ。故に其方を帰蝶』と名付ける。可愛いのぉ~」 まったく奸雄と思えぬ親馬鹿であった。 この物語は乱世の覇者と呼ばれた蝮。 その娘、帰蝶のお話である。 ◆この物語は史実に則った戦国大河です。 歴史解釈の違いはございますので、その点はご了承ください。
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