魔女と呼ばれた没落令嬢が曲者王子の身代わり契約妃となりまして。
最終更新:2023/12/3
作品紹介
「春の式典までの間、私の婚約者の身代わりとして王子妃になっていただきたい」 エルザは、かつて“魔女”と呼ばれ引きこもり&姓を捨て没落した元辺境伯令嬢。半年前、異母姉ハンナ第一王子妃が弑逆未遂を理由に処刑され、そして今、仕事も失った。 そんなところに舞い込んだ新たな仕事は、非の打ち所がないのに致命的に頭が悪く“ぼんくら”と有名なシャルフ第四王子の妃――の身代わり。報酬は金貨三百枚、契約期間は二月、衣食住は最上級にて保証、ただし王子妃として命の危険アリ。 「お引き受けします」 破格の報酬だろうが命が危険だろうが関係ない、正々堂々宮殿に乗り込みハンナの汚名を晴らしてやる――そうしてエルザは、晴れて第四王子の契約妃となった。 「今日も美しいね、私の可愛いエルザ」 「だからその鳥肌の立つような挨拶をやめろって言ってんのよ!」 ……ぼんくら王子の度を越えた甘ったるい演技とその本性は、少々の誤算だが。
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