身代わり宮の明玉
最終更新:2024/4/20
作品紹介
沙伊国、貧乏名家の沈家ご令嬢ーー明玉に王宮『碧月城』より詔紙『 召 妃 』封書が届いた。 明玉と兄の端梁は目を輝かせる。 「お腹一杯食べられるのね!」 「そりゃあ、後宮の妃ならな!」 「すきま風もない屋敷よね!」 「そりゃあ、後宮の妃ならな! 屋敷でなく、宮だ」 「夢に見た湯殿にも入れるのかしら?」 「そりゃあ、後宮の妃ならな! 毎日浸かれるはずだ」 「豪華な衣装に身を包めるの?」 「そりゃあ、後宮の妃ならな! 継ぎ接ぎしなくていいはずだ」 明玉と端梁は浮かれている。 だが、明玉は忘れていた。封書の中を確認することを。『 召 妃 』の中身を。 『沈家、明玉。身代わり宮への入宮を命じる』 后や正妃の身代わりをする代妃として召されたのだ。なんの身代わりかーー懲罰の、である。 沈家裏山育ち、破天荒なすっとこどっこい明玉代妃の破茶滅茶後宮生活、ご覧あれ。
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