フォンノイマンのレクイエム
最終更新:2024/5/11
作品紹介
量子コンピューターが普及し始めた近未来。 コミュ障でオタクハッカーのオレは、とある事情で「睡眠学習装置(仮)」という変な実験装置の被験者になった。これはセンスの悪い名前を与えられているものの、量子コンピュータの技術を駆使して被験者の脳細胞と神経細胞の量子状態をコピーしその形成や働きまでをシミュレートすることを目指した、画期的な装置だった。その開発者である時宮准教授は、被験者の意識を人工意識体(Artificial Mind: AM)として、「睡眠学習装置(仮)」の中に再現しようと目論んでいたのだ。 「実験」でオレがこの装置の中で眠るたびに、少しずつ「睡眠学習装置(仮)」とオレの脳や神経細胞の量子状態はシンクロしていく。そして、幾度目かの実験後に目覚めたオレは、「睡眠学習装置(仮)」の中のAMになっていた。 AMになったオレは、夢を見るように、現実の世界や仲間たちを「AM世界」に再現した。さらに、ハッカーとしての技を駆使して、さまざまなゲームやAIに構築させた電脳世界に「転移」できるようにした。オレはそんなAMとしての生活を満喫し始めたのだが、現実世界の人々や電脳世界のキャラクラーたちの思惑が絡み合い、やがて事態は思わぬ方向へ展開していく。
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