私の魔法使い(長編版)
最終更新:2024/5/14
作品紹介
――良い魔法使いは、わたしのところには来てくれない。 ソフィは幼い頃に両親を事故で亡くし、父の生家である伯爵家に引き取られた。けれど伯爵である叔父とその家族から、使用人以下の酷い扱いを受ける。 16歳になったソフィは、厄介払いされるように王宮の下働きとなる。ようやく伯爵家を出ることは叶ったが、王宮にもソフィの自由はなかった。下働きの中で最も過酷な仕事を強いられ、醜い火傷痕のために同僚からも遠巻きにされてしまう。 だが、宮廷薬師の女性との出会いがソフィに転機をもたらした。ハーブを使った化粧品作り、さらに火傷痕を隠すために必死に習得した化粧の技術が認められ、ソフィは平民の身分でありながら王妃の化粧係に抜擢される。けれどソフィがどんなに努力しても、顔の火傷痕と叔父一家は、ソフィが幸せになることを許さない。 そんなある日、社交のために隣国である魔法大国から、美貌の王弟ジークベルトが来訪する。数々の浮き名を流しながらも25歳まで独身を貫くジークベルトは、王妃と令嬢達が集う茶会で、「この国で運命の出会いがある」という先読みの魔法の結果を披露する。 令嬢や女官達が浮き足立つ中、自分には関係のないことだと、一人だけ冷めた気持ちでいるソフィ。 ところが、ジークベルトが「王妃殿下の化粧を担当したのはどなたですか?」と奇妙なことを言い出したことで、ソフィの運命は大きく変わっていく。 顔に醜い火傷痕を抱えながら懸命に生きてきた少女が、美しい魔法使いである隣国の王弟殿下に見出され、幸せへの第一歩を踏み出すシンデレラストーリー。 *序盤はストレス展開が続きますが、ハッピーエンドはお約束します。 *2023年5月に連載していた同タイトルの中編を長編化したものです。設定や展開が中編と一部異なります。なお、現在、中編版は検索除外にしています。
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