ブリッツ ~血(オイル)を求めるヴァンパイアを倒すもの~
最終更新:2020/11/22
作品紹介
「俺の自分で手を入れた車は誰にも触らせたない。絶対に!」 主人公は夜の静かな整備工場でつぶやく。 目の前には売却する愛車の高価なパーツをもぎ取られた姿。 自動車整備工でありアマチュアレースのドライバーである主人公は、まとまった金が必要になったために自分でレース用にチューニングした自分の愛車を手放すことにしたのだ。 自分の金も愛情もすべて注ぎこんだ愛車を他人に触れさせたくなかった主人公は、売れるパーツを取り外したうえでノーマルに戻して売却してしまう。 そのまま車を買わないままアマチュアレースからも遠ざかる日々を過ごしていた。 主人公がサーキットから去って二年経ったころ。レースにでた顧客の車が大破して持ち込まれるようになる。 ヴァンパイアと呼ばれる車がからんだクラッシュが原因だと告げられ、かつて自分が倒した相手が挑発していると知る。 そんな中、売れっ子ミュージシャンである鈴音が主人公にレース用のチューニングを依頼するために、かつての自分の愛車を持ち込んできた。 主人公は毎週仕事で大阪に来るたびに工場へと足を運ぶ鈴音に、親しみを感じるようになる。 だが鈴音は女癖の悪い俳優に言い寄られており、関東でも屈指のアマチュアドライバーのその男を避けるために、東京在住にもかかわらず関西のレースに参戦することになった。 鈴音は初めて出走したレースでヴァンパイアに抜かれたくなくて無理をし、クラッシュを起こしてしまう。 主人公は鈴音まで巻き込んでしまったことを悔い、どんな手を使ってもレースに出る決意をする。 これは主人公が新たな自分の車、ブリッツを手に入れてサーキットに戻るまでの物語です。 ※「貸し本棚」でも公開中です。