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作:硯羽未

インソムニア

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未評価

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最終更新:2020/9/23

作品紹介

それまで攻めることしか知らなかった尚志は「君が優しくなる為に」と言われ、17の時に抱かれた。 しばらく会っていなかった「初めての男」である雅宗が再び目の前に現れ、尚志の内心は非常に複雑だった。 一方雅宗は、笑顔の裏に何かを隠していた。次第に現実と幻想の境界線が曖昧になってゆく。 『セルリアンブルー』の第三章と対になる作品ですが、読まなくても大丈夫なように書いているつもりです。 BLの皮を被った、別の何か。病んでます。 ミステリーなのか、ホラーなのか、恋愛ものなのか… 【主な登場人物】 柴田尚志(しばたひさし)…主人公。ゲイであることを隠していない。美大に通いながら絵本作家としても活動する20歳。 岸雅宗(きしまさむね)…25歳社会人。尚志の「初めての男」。響歌という双子の妹あり。ハワイから一時帰国。 仲原湊(なかはらみなと)…尚志の高校の先輩。可愛いお社の坊っちゃん。雅宗曰く、「神饌」。 宇佐見光(うさみひかる)…女装趣味の多重人格者。19歳。尚志と友達以上恋人未満。

高校生青春・ヒューマンドラマヒューマンドラマ

評価・レビュー

現実と妄想、過去と現在の狭間と揺らぎ

【物語は】 性に奔放で、過去関係のあった人から”本気になるな”といわれたことにより、一人に真っ直ぐな愛をぶつけることの出来ない美大生と、心に傷を抱え現実すら侵食されてしまった社会人との恋愛が、描かれている。美大生サイドが明るいのに対し、社会人サイドはまるでミステリー×ホラーを見ているようで、虜になる作品。 【まるでパレットの上の絵の具のように】 パッと視点が変わったと分かる作品ではないことが、逆にこの作品良さを引き出している。視点切り替えには、色んなタイプのものがある。例えば、タイトルで分かるようにするものや、あえてSideと表記するモノなど。この作品は、境界が曖昧な部分があり、ページの中で突然別視点が入る。通常なら、これは分かり辛いという感覚を産むはずだが、この作品に居たっては、まるで絵の具が混ざりあうかのようなイメージがし、良い効果となって作用している。 【狭間と揺らぎ、物語の構成】 社会人の彼は、ある過去と闇を抱えているのだが、単にそれがどんな理由からかを率直に書いていたならば、こんなに狭間と揺らぎは出せない。才能のなせる業である。どちらがどちらなのか。夢なのか現実なのか。妄想の産物なのか。真相が明らかになっていくまで、サスペンスのようなハラハラ感に虜になる。 それに対しに、美大生の彼は欲望優先の生き方をしており、キッチリと現実のみという印象がある。これは絵に例えるなら、輪郭とその内側といった関係か。彼がいることにより、社会人の彼と同様、読み手も現実に引き戻される。この不思議な揺らぎと狭間が、魅力的であり物語にぐっと惹きつける効果も担っているのではないかと思われる。 【答えを出せた側と出せなかった側】 主人公である二人は、とても対照的である。もちろん似ている部分もあるが。 心が成長していながらも、下半身がどうにも緩いままの美大生。どんなに嫉妬をしたとしても、自分だけのモノに出来ないことを分かっていながら、自分を救えるのは彼しかいないと感じている、社会人の彼。何処か諦めている部分があるからこそ、魅力的であり、萌えがある。手放せないけれど、所詮は思い通りにはならないし、欲しいものも与えられない。そして、相手に確かめることすらできない。一度は手を差し伸べられるが、望みを告げたところで自分を選んでは貰えなかったが、いつかそれを望んだ理由に、美大生が気づく時、そこが二人にとってのスタート地点なのかもしれない。 社会人の彼にとてつもなく萌える作品です。ゆっくりと明らかになっていく真実からも目が離せません。是非、お手に取られてみてくださいね。おススメです。

5.0

crazy's7