恋の翼

シェイクスピアの戯曲 悲劇 「ロミオとジュリエット」 『おぉロミオ。あなたはどうしてロミオなの？ 憎いのはあなたのその名前だけ』 『あなたが望むのならこの名前くらい捨てましょう。 私は恋の翼で高い塀も飛び越えてあなたのもとへ参りました』 ‡‡‡ 高校生の美桜(ﾐｵ)の家族は一年前のある出来事がきっかけでバランスを崩してしまっていた。 両親に気を使い、自由をなくして息苦しい生活を続ける美桜はある日、友達と久しぶりに出掛けたライブハウスで優しくてお人好しな青年、樹(ｲﾂｷ)と出逢う。 彼の意外な勤務先に通ううちに二人は惹かれ合うのだが…。 どうして、一番愛してはならない人を愛してしまったのだろう。 ロミオがロミオでなかったら、ジュリエットは死なずに幸せになれたかもしれない。 壊れていく心に悲劇は止まらない？ 恋、家族、命。 大切なものに気づいて。 「一緒に死のう」 そんなことを、言わないで。