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作:草森ゆき

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未評価

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最終更新:2021/6/26

作品紹介

偽教授杯のために書きました 好きな子の横で派手に死んだ男が好きな子に憑いている話です

ファンタジー

評価・レビュー

弾き続ける彼女と彼の物語

好きな子に憑いている男と好きな子が大いなるものに裏切られながらある瞬間に辿り着く話。のっけからびっくりしました。個人的な事情で割と感傷的な気分で開いたんですが、リセット! 冒頭、韻は踏んでないけどラップか? というくらいリズム感に溢れた文章。歌えてしまいます。すげぇ……こんなの書けないよ……と思っているとストーリーライン”は”また驚くくらい正統派の泣かせに入って、最後、それはずるいでしょう、と。 ストーリーライン”は”と言いましたが、主人公を含めたバランスがいいんですよね。この話、いくらでもシリアスに泣かせに持って行ける話なんですが、主人公がそれに歯止めをかけてくれる。うわ、これは深刻だというところで、彼が”体があったらわんわん泣き出していただろうし”と読者よりオーバーな感情を出してくれる。だからシリアスになりきらない。すごく品がいい。思えば作品全体から見れば冒頭の半ばラップのような一段もバランスを保ってくれる部分です。 だけどその一方でやはりストーリーラインは容赦ない。彼は人間の手の及ばない大いなるものに裏切られて死んだし、彼の死後、彼女は時間に裏切られ続ける。そしてそれはどうしようもない。けれど、どうしようもないなか立ち続ける人たちの物語ですね。 最後は裏切り続けた時間が微笑んだと解釈することもできるけど、それよりは彼と彼女の戦いの果ての結末だと思いたいのです。寝込んだり、墓参りに行ったり、ピアノを弾いたり、それをただ見ていたり、表面上やっているのはそういうことだけど、その内側には激しい戦いがある。 読み返してみても文字の表面上は決して激しないのに、私の感想は「めちゃくちゃかっこよかった」に尽きます。

5.0

辰井圭斗