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作:木立 花音

【書籍化】冴えない俺と、ミライから来たあの娘

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最終更新:2023/12/27

作品紹介

 ──結ばれないとわかっていたのに、それでもあなたに恋をしました。  ルックスは平均点。営業成績は落第点。全てが凡庸なサラリーマン秋葉悟(あきばさとる)。クリスマスを控えたある夜、彼の元に葛見千花(くずみちか)と名乗る女子高生が現れる。  彼女は秋葉に、「私は未来からやって来たあなたの娘です。一週間だけ、ここに泊めて下さい」と告げた。  25歳の青年と、18歳の女子高生。時を超えて巡り会った親子は、一週間の共同生活を送ることになる。  クリスマスデート。二人で海を眺めて語り合う休日。一緒の布団で身を寄せ合い迎えた最後の一夜。夜明けとともに予告なく訪れた別れの先で、彼がたどり着いた結末とは? そして千花が戻ったミライの世界で彼女を待っていた物とは?  これは、定められた運命と予定調和の中で揺れ動く、〝決して〟結ばれる事のない二人の恋の物語。 ※アルファポリス主催、第11回ドリーム小説大賞【奨励賞】受賞作品。 ※表紙用のイラストは、(SKIMA)を利用してmu様に描いて頂きました。

恋愛ヒューマンドラマ純文学禁断の恋時間旅行社会人×女子高生

評価・レビュー

大切なひとへ会いに、過去まで。

 勘の良い方のためにネタバレフィルタを付けましたが、小説のネタバレや後半の詳しい展開に踏み込む感想ではありません。ただ事前情報はすこしでもないほうが、より初読の印象が鮮やかになったりする場合も多いと思うので、ぜひ感想よりも先に本作に進んでいくことをお薦めします。  スポーツ用品全般を取り扱うD商事に勤める秋葉悟は、良く言えば誠実そう、悪く言えば特徴のない青年で、社交的とは言いがたい性格が災いしたのか二十五歳になった現在も女性との交際経験がなかった。周囲が営業成績を伸ばし一本立ちしていく中で、成績が伸び悩んでいた彼は仕事面でも活躍してるとは言いがたい状況で、密かな恋心を抱く後輩の田宮には特に話す話題も見つからなくて、横顔を盗み見るだけの毎日を送っている。そんな日常に満足できない鬱屈とした日々を送る彼の前に現れたのが、葛見千花くずみちかだった。ブレザーの制服を着た彼女の姿と容姿から推測するに女子高生で間違いないだろう。困惑する彼に、彼女は「あなたの娘です」と言った……という導入の本作は、時間旅行を経て二〇四二年の未来から訪ねてきた娘との出会いと別れを描いた恋愛小説になっています。  未来においては本当の父娘でありながら、現在においては家族でさえない相手との奇妙な共同生活、という特殊な状況下で互いに理解を深めていき、やがてそれは恋心を含んでいく。障害が大きければ大きいほど恋は盛り上がる、というのは幾分使い古された表現ではありますが、悟と千花に与えられた障害は、実際に向かっていく未来、そして実際に一緒にいられる期間の長さ、そのどちらにしても越えられることは無いものと、彼ら自身も読者も共有しながら、物語は進んでいきます。繋がることはない、繋がってはいけない、と知りながら、それでも抑えることができずに、感情は相手へと向かっていく。その心情の揺れがつぶさに描かれているからこそ、物語の旅路の先に見る光景に、胸を打たれるのかもしれません。

5.0

サトウ・レン

複雑な心境になる物語である。

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 本当の親子かどうかでも変わって来る。実の父に恋をするのかどうか? 母の再婚相手なのだろうか? と思った。実の親子だったらちょっと怖いなと感じてしまった為。 ただこの恋が、この二人の間とは限らない。別の可能性も考えられる。あらすじからはミステリアスな部分もある。 逆に父が娘に恋をするというパターンもあるかもしれないが。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 娘側の最後の一日から始まっていく。ちょっと複雑な心境になる始まりだと思う。 その後本編に入り、主人公の日常と恋事情について語られていく。そこにあるのは、都会での理想と現実。都会でなら人生が変わると思われがちだが、実際はその逆だと思う。都会の喧騒から離れ田舎暮らしで幸せを手に入れた人も沢山いるだろう。能力があるから輝けるということを忘れ、都会だから上手くいくと考える人は多いのかも知れない。彼もまた、通勤だけでゲンナリしながらそれでも耐えているような毎日を送っているようである。そんな彼に突然訪れる、非日常とは。 3 世界観について 舞台は現代である。未来から少女がやって来ることから、SFでもあるようだ。 現代の東京が舞台。地方から都会にやってきた人間の理想と現実について描かれている。 地方から都会に暮らすと一番つらいのは電車だと思う。元々その地に暮らしている人は、慣れているから耐えられるのだろうか? それとも、そうまでして都会に住み続けたいの府だろうか? とても不思議である。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 *上記でも書いたように、都会での理想と現実の部分にリアリティを持たせた心理描写が良い。 自分も経験したことがあるので、思わず感情移入してしまった部分である。 *一般的な人が主人公なのが良い。 よくあるハイスペックな人物というわけではなく、かなり身近に感じるごく普通の一般的な人物が主人公。すなわち感情移入がし易いと思われる。 *予定調和説明 小説内で分かるだろうと説明を省き、結局伝わらないというものはよく見かけるが、このことについて説明が足されているのが良いなと感じた。言葉は聞いたことはあるが、詳しく知らなかったため少し驚いた部分がある。 *家族という概念について。 家族とは初めから家族だから家族なのだろうか? と。もし仮に未来からまだ見ぬ家族が現れたなら、恋愛対象になったりよこしまな気持ちを抱いたりするものなのだろうか? そもそも近親関係の交わりが禁止されているのは、近親者で交わろうとしているからであり、そう考えると知っているかどうかは関係ないのかも知れないとも感じた。 *突飛なことが起こるわけではない日常 未来から少女と彼との暮らしはごく普通。少し悪戯心もあるようだが。 父子家庭のような自然な日々に、未来から来たことを決定づけるような行動が散りばめられている。 5 お奨めしたい部分 二万文字の読了では、少女の目的は想像し辛い。父に会いたかったという単純なものではないのではないかと想像する。 もしかしたら、普通の日常こそが彼女の欲しかったものなのかもしれない。伏線と感じる部分もあり、この先どうなっていくのかとても気になる作品である。 この作品で気になるのは”予定調和”。彼女がこの世界に来ることは必須なことは予想がつく。主人公はまだ過去の状態だが、主人公が少女に出逢う前と少女の人生の間の時間には、この出来事が作用することが必要だと考えられるから。考えるとややこしくなるが、少女が産まれるためにはこの出来事はなくてはならないことなのだと思う。 6 物語のその先を想像して 005 【滞在期間三日目:たまには、手料理なんてどうかな?】まで読了での予想。 気になるのはあらすじの”夜明けとともに予告なく訪れた別れの先で、彼がたどり着いた結末とは? そして千花が戻ったミライの世界で彼女を待っていた物とは?”の部分。未来が変わってしまうのではないかと想像する。それは良い方向だと想像するが、未来が変わってしまうのは罪にあたる様なので、ハッピーエンドとも言えないのかも知れない。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。おススメです。

5.0

crazy's7