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@オノログ
作:双葉屋ほいる
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最終更新:2020/7/13
短文投稿SNS「ツブヤイター」でばぶばぶ赤ちゃんプレイを繰り返していた俺であったが、なんと学内でアカウントがバレて社会的死を迎えてしまう。 もうダメだ。死ぬしかねえ。しかし屋上から身を投げたそのとき――
普通の大学生に擬態して生きる大きな赤ちゃんが、油断から自分の正体をセルフ開示してしまい、世を儚み屋上から飛び降りるところから始まる奇跡の逆転劇。 笑いました。一見好き放題フリーダムに突っ走っているようで、その実ものすごく真っ当な物語してるところがなお面白いです。お手本みたいな起承転結に、テーマ性をしっかり下支えする物語の構造。結びの穏やかながらもの寂しい余韻の中に、でもくっきりと浮かび上がる主人公の格好よさ。彼こそまさしくこの世界の主人公だったと、この世界の誰ひとり知ることはなくとも、しかしただ読者だけが知っている——という、そんな古典かつ王道の英雄譚をどうして、なんでこんなお話でやってしまうんですか!? びっくりしました。なにかしらこの気持ち……いや本当、まさか「おぎゃーーー!! ママーーー!!」とか言ってる人に対して、素で「やだ、あの人カッコイイ……」ってなる日が来るとは思いませんでしたよ……。 とてもまとまりがよく、なおかつ読みやすいお話でした。強烈な題材のわりに余計な力みやアクがなく、するする読めてどんどん物語の中に入っていけるので、すっかり安心して笑うことができる、という感覚。読み手を素直にさせる雰囲気作りが完璧でした。 個人的には、地味に本文以外の要素も好きです。タイトル、キャッチコピー、説明文、この辺がおしなべてわかりやすく面白くかつ目を惹きつけるインパクトもしっかりあって、総じて丁寧に仕上げられた作品だと感じます。とても楽しませてもらいました。面白かったです。
和田島イサキ
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