貴方は自分の言葉が鎖になるなんて知らなかったんでしょう?
最終更新:2016/3/29
作品紹介
「幸せになって」 淡く微笑む貴方は、私に背を向けて去って行く。泣いて縋ることをしなかった私は、強かったのか、弱かったのか。 貴方は知らなかったんでしょう。自分の言葉がまるで鎖のように、私を縛り付けることになるなんて。 それとも知っていたの? だとしたら、なんて残酷な人だろうか。 ――夢を見た。 目を覚ます。夢は思い出せない。私はいつも通り仕事に向かう。新規顧客は、カリスマ美容師と謳われる人だった。既視感を覚え戸惑う私に、彼は人が悪そうに笑う。 「思い出したら、教えてあげます」 夢の香りが強まる程、苦しみは増していく。愛さなければ良かったのに、と声が聞こえる。 それでも“椿”は、“彼”を望む。 まるで、よくできた呪いだ。 ◆Twitterのお題アンケで決まった『それは鎖のように』を基に作成。
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