両手の花は金と銀　～二人の乙女と過ごす為に奮闘す～

「帝国にはクラフマンサーの未来はない。別の迷宮都市へ向かおう」 　帝国立の学校を優秀な成績で卒業するも、国の研究機関のあまりの 熱意の無さと意識の低さに落胆した少年レックスは、世界に三つある 迷宮都市の内の一つであるドルガイタ帝国に見切りをつけ、 独立都市として名を馳せている迷宮都市リバルダイムへと旅立ち、 そこで古代の魔導兵器や機械――エンシャールを扱う者である クラフマンサーとして店を立ち上げ、時に迷宮を探索し一緒についてきた 幼馴染の少女であるメルウェと共に充実した日々を送っていた。 　未だ多くの謎を残すエンシャール。それを元に生み出される新しい 魔導機械と技術の数々。卒業後の時はあっという間に過ぎリバルダイムで の生活も落ち着いた頃、レックスの下に一人の少女が尋ねてくる。 「やっと見つけた――レックス兄様」 　それは卒業と同時に接点の無くなってしまった少女。 　レックスとメルウェをそれぞれ兄様姉様と呼んで慕った皇族の姫。 　帝国で起こった政変と同時に庶子であった彼女は皇族ではなくなり、 慕っていたレックスを追ってリバルダイムへとやってきたのだ。 　あっさりと同棲を提案する彼女に対し、レックスは驚くも 「ど、どどどど同棲！？　そ、そんな急な展開は駄目です！　ずるです！」 　物静かな性格に反して怒涛の攻めを見せた妹分に焦るメルウェ。 　かくして未だ制覇されぬリバルダイムの「迷宮」と都市を舞台に、 その両手に華麗なる金の花と、可憐なる銀の花を手にした少年が 彼女たちと共にイチャイチャと過ごす生活を作り上げる為に奮闘する物語は始まった。 ※　毎日１８時更新　時々休みます。