嘘という概念が存在しない世界に転生した元詐欺師の私は、嘘つきの楽園を創ります
最終更新:2021/3/2
作品紹介
「そういえば昨日出来心で浮気をしてしまった」 「はっ?なにそれ?あんた刺すわよ?」 「いや、それだけはやめてほしい」 「………はあ……いくらろくでなしの馬鹿旦那でも、私達のために生活費を稼いで家に入れてもらわないと困るのよ。今回だけ目を瞑って我慢してあげる。それで、何でそんなことしたの?」 「すまん。ついムラムラして魔が差してしまった。だが、心から愛しているのはお前だけだし、死にたくないから二度としない」 「当り前よ。あんたへの小遣いはしばらくなし。浮いたお金で気になっていたドレスとネックレスとバッグ全部買ってもらいますからね」 極めてストレートな言葉を互いにぶつけ合う両親の奇妙な修羅場を目撃した5歳の私は、ひょっとしたらこの世界に『嘘』というものが存在しないのではないかと思い始めていた。
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