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作:三原雪

扉繋ぎのウォルト

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最終更新:2016/4/25

作品紹介

 エル・ワトランディ。それがこの世界の名。  街は聳える外壁に囲まれそこに門はない。その向こうに何があるのか誰も知らない。  森や平原、砂漠に海には果てがない。その遥かなる先に何があるのか誰も知らない。 ――いや、知っているのだ。問うまでもない当然のこととして、何もないのだと。  出ることのできない街は扉で繋がれる。  抜けることのできない森も扉で繋がれる。  扉が本来隣り合うはずのないあちらとこちらを繋ぐ。炭鉱の街の扉を抜ければ交易の街の扉に出る。商店の奥の扉を抜ければ森の小屋の扉に出る。  扉が繋ぐ世界。それがエル・ワトランディ。  誰も扉は繋げない。扉を繋ぐ原理は誰も知らない。  ――いや、あるいはアドリヴェルテなら―― アドリヴェルテの森を探し、扉から扉を抜けて世界を旅するウォルトとラギ。 ウォルトには扉を繋げるという異能力があったが、それには代償を必要とした。代償は過去の記憶。 ウォルトは消えていく記憶を少しでも止めようと、旅の光景を目と心に焼き付ける。 彼らが訪れる絶景の記録と、そこで働く人々の物語。 異世界ならではの絶景と仕事にまつわる、章ごとで完結する短編集。

ファンタジー異世界中世童話大自然

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