父が生死不明のため、婚約破棄されました。今さら『銀行とグルだなんて許さない』と言われても困ります
最終更新:2021/9/14
作品紹介
薬師見習の子爵令嬢ルシール・ラムルは、夜会で別の女性と踊る婚約者を諦めの目でみていた。 「君はもっと怒ってもいいと思うんだがな」 公爵家子息にして、ハプセント銀行の頭取、エドワルド・ハプセントはルシールに告げる。 ルシールは子爵家の後妻の娘で、貴族の血を半分、ひいていない。 そのこともあって、ルシール・ラムルは、婚約者を金で買ったと噂され、婚約者の伯爵家子息フィリップ・ダイナーからぞんざいに扱われている。 「フィリップさま、あそこにいらっしゃるのは、薬の香りのするお嬢さんではありませんの?」 「ふん。相変わらずかわいげのない女だ。金の力で、今度はハプセントさまに取り入ろうとしているのか?」 婚約者と、その連れに、嘲りを受けるルシール。 あたかもルシールが望んだかのように。 しかし。現実は、ラムル家の資産を狙ったダイナー家から打診された結婚だ。 子爵家であるラムル家は伯爵家からの正式な申し込みでは、断りようがない。婚約破棄には多額の違約金が必要となる。 嫌われていて、慕ってもいないのに、大金を払わねば解消できぬいびつな関係。 ルシールの父は娘のため、一攫千金を得ようと、海を越えてバンディ帝国に商談に出かけたのだが、その帰りの船が嵐にあったという連絡を、ルシールと兄は、ハプセント銀行の頭取、エドワルド・ハプセントからうける。 ハプセント銀行によれば、父が出航に当たってかき集めた五千万ゴールドを三か月後には返済せねばならない。 年間の収入よりもはるかに多い金額を三か月で用意など、かんたんにできるわけもない。とてもではないが、望まぬ結婚などする余裕はないと考えたルシールは、婚姻にまつわる書類をみせ、エドワルドに相談をする。 ※この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。©秋月忍(2021/8/27) 作品の性質上、読むのが辛いなとお感じになられた方は、迷わずブラウザバックをお願いいたします。 ※父が生死不明のため、婚約破棄されました。今さら銀行とグルだなんて許さないと言われても困ります を微妙に改題。(『』を入れました)
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