俺の気持ちをお前にやるよ。
最終更新:2013/3/14
作品紹介
「なあ、和真。一つ聞いていいか?」 不意にかけられた声。俺の隣で試合を観戦していた渡辺仁志だ。 「何?」 「素朴な疑問なんだけどさ、なんで、高木なわけ?」 「…は?」 「いや、お前モテるだろ?なのに、なんで高木なんかを彼女にしたのかなって。お前、2組の北川さんにも告られてたのに。あんなきれいで優しい人振って、なんで高木なの?」 仁志の言葉に、俺は文句を言おうとしてすぐにやめた。 「なんでだろうな?」 そう笑う俺に、仁志は不思議そうな顔を浮かべている。けれど俺はそれ以上言わず、またコートに視線を戻した。わざわざあいつの良さを人に知らせる必要などない。
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