後の祭りの極悪令嬢
最終更新:2021/1/8
作品紹介
傾国の悪女クロワルチェ。 シルウィールは、たとえどれだけ虐げられても、姉である彼女を救いたかった。 姉の婚約者だったユニウスも同じ思いであると知って。 だから戦うと決めたのだ。きっと昔のように、共に笑い合えると信じて。 もはや救いの道はどこにも無い。ならば、せめて自分の手で止めたかった。 戦乱の中で別れは決定的になる。 目の前で父を殺め、かつての婚約者に剣を突き立て、炎の中に消えた姉にもう言葉は届かない。 せめてこの人だけは。倒れ伏すユニウスを前に、絶望の中でシルウィールは必死に祈る。 その時、母が形見に遺した指輪が、眩く輝いた。息を吹き返すユニウス。 奇跡の光が、黒い夜を照らした。 奇跡の光は、ついでになんかクロワルチェの中にいた魂も呼び起こした。
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