アペリオテスの回想

白銀の髪を持つ者は身体の弱さが災いして五歳を越えられない──。 アンハルト家の次女として、白銀の髪を持って生まれたソフィアも例外なく虚弱であったが、長く続いた高熱を耐え切り、五歳を越えた。蘇る前世の記憶。それに伴う人格の交代。 新しく風狼のヴィントを家族に迎え、ソフィアとして生きていこうとした矢先、命を狙われるようになる。姿の見えない何かに怯える日々。懸命な調査が続けられるものの犯人は見つからない。 そんなソフィアの元に学園への入学許可証が届く。魔力を持つ者は入学が義務付けられた学園。 義務でもあるが、遠く離れれば命を狙われずに済むのではとも考えるようになる。 命を狙う存在はなにものなのか、白銀の髪を持つものとはなんなのか、本来の人格は何処に行ったのか。 ソフィアは学園に入学する。 自身を取り巻く謎を解く為に。