転生聖女は魔王に飼われる ~もう1度聖女をするくらいなら、寝返ります~
最終更新:2020/7/22
作品紹介
「私の魔力を封印して、攫ってください」 「……お前は阿呆なのか?」 魔王・ヴォルフガングは、自分を永きにわたる封印から叩き起こした『聖女』に頭を抱えた。 ウルルは、現代日本に生を受け、望まぬ形で『聖女』として召喚され、そして、魔王と刺し違えて死んだ、前世の記憶を持って生まれた。 ……我ながら、設定が詰め込まれすぎている。 いくら『聖女』として、前世で最期を迎えたからと、生まれは平和な日本の小市民。 何度も何度も、世界のために命を捧げろと言われれば、さすがに拒否したくもなる。 そして、考えた。 『聖女』であると知られる前に、その力を封印してもらえば、自分は平穏に人生を全うできるのではないか、と。 だけど、そのためには『聖女』であると告げなくてはいけない。 ……ジレンマだった。 そして思い至る。『聖女』と知れても、力を利用せず、むしろ喜んで封印してくれそうな存在に。 15の誕生日の直前。 国に義務付けられた、魔力鑑定式を前に家を逃げ出し、ウルルは魔王の眠る封印の地を訪れた。
評価・レビュー
まだレビューはありません。