妄想少女のお悩み相談所～解決できるかは別の話です！～

夢を見ていた。そこは、音もなければ色もない空間だった。わたしの眼前で、背中から羽を生やした猫が飛び回っている。荒唐無稽な状況に理解が追い付かないでいるわたしに、猫は語りかける。 ー君に魔法を授けようー 代わり映えのない学校生活に退屈とした気持ちを抱えていたわたしはいつだって、非現実的な出来事に憧れていた。それがこんな形で叶うなんて思いもしなかった。 でも、授けられた魔法は、瞬間移動ができるとか、手から炎が出せるといったかっこいい魔法ではなかった。『他人の人生を夢を通して見ることができる』という魔法で、断片的にしか情報を得ることができないものだった。 これを使ってわたしは皆の悩みを解決できるように頑張ろうと思うんだ。先生に無理矢理やらされることになった、生徒からの悩みを聞いてあげる『お悩み相談所』でわたしは色々な人と出会う。 将来について悩み、理想と現実の合間で心を揺れ動かしながらわたしたちは大人になっていく。これは中学校をわたしが卒業するまでの物語、夢と愛の物語。