空を喰む
最終更新:2017/10/2
作品紹介
僕は、空を描くのが好きだ。何も考えず、ただじっと、目の前にある空を僕の手元に落としてくる。それだけで僕の心は落ち着いて、満たされていた。 彼女は、僕以上に空が好きだ。空を掴み取って、食べてしまうほどに。 僕たちは、空を飛べない。手元に写して、咀嚼して。心を満たすことしかできない無力な弱者だ。ただの子供だ。 僕と彼女の、夏休みに入る少し前。小さなクソガキの小さな反抗期。でも僕たちにとっては、大きな大きな人生の分岐点となった。
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