勇者に恋人を奪われて引退した元救国の英雄の復活譚
最終更新:2019/2/2
作品紹介
勇者に唯一の恋人を奪われてしまった不憫な騎士、エデル。 彼は恋人を奪われたその時から、何かに取り憑かれたかのように戦場の前線に立ち続けた。 何時でも氷点下まで冷めきった顔、しかしエデルは幾度も撤退時には殿を務め、撤退する仲間に迫る敵軍の魔の手を食い止めながらも、敵部隊を半壊させ、前線を維持するという偉業も何度も成し遂げる、軍人の鏡のような活躍をする。 表情は冷めきっていても、その手から救われた兵士、国民は数知れず、何時しかエデルは『救国の戦槍』と英雄と同様に称え始められるようになった。 しかし、エデルはそれに喜びを示すことはなく、その日も戦場で殿を務め、且つ前線を維持する。 ──戦うことしか、自分にはない 恋人が、何時か振り向いてくれるのを願って、エデルは今日も戦場で斧槍(ハルバード)を振るい続ける──が、心身ともに限界が近づき、遂にそれまで感情を押し殺していたエデルはある日、敵兵士の死体が転がる血生臭い戦場の中心で、咆哮し、感情吐き出してしまう。 そこで彼はとある少女と邂逅し…… これは、当時から五年の歳月が経ち、かつての英雄が、ある約束を果たすために冒険者として生活していく物語である。
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