古代の宗教観がリアルだった世界観を舞台にした歴史ファンタジー。
とりあえず僕は、エジプトの歴史に関して、あまり知識がある方ではないけど、いろいろ丁寧な説明などあるので、普通に楽しめてます
単に古代のエジプトの話というだけでなく、それと古くから関わりのある部族や文明の伝説や歴史なども、世界設定に含まれていて、昔の「世界」の中でのある地域の話という印象がかなりはっきりしてます。
例えばエジプトに興味がないという人でも、ユダヤの伝説(旧約聖書)とかに関心のある人とかなら、それはそれで楽しめるんじゃないかと思います。
エジプト王家の起源がシュメール王家にある可能性など、興味深い説も時々示唆されてます。
また、特別な王子が有していた霊感能力などが実在してる設定な感じで、そこは普通にファンタジーぽくもあります。しかしだからこそ、単に歴史好きだけでなく、いろんな人に楽しめる作品になっていると思います。
それと、(実際にそれは当時のリアルだったのかもしれないが)本当の神が存在していて、しかし各地でいろいろな信仰のされ方をしている、様々な説があるというような世界観でもあり、時々ある、神や、あるいは人間や魂に関する議論なども、とても面白く興味深いかもです。
例えば多神教の神々は、多面的な一柱の神を、面ごとに別の存在と解釈している説とか。あるいはユダヤ教とかの世界観における、異端の宗教の立場から見た、一神教の世界観への反発とか。
昔ながらのファンタジーが好きという人にはすごくオススメできる作品と思います
登録:2021/7/23 08:11
更新:2021/7/23 17:15