どのお話も興味深く、感心や共感に頷いたりしました。
思っていることが簡潔にまとめられていて読みやすかったです。
ーーしかし、ここではあくまでも『一人の読者』の考え方が書き連ねられています。
全20話(約1.7万字)を読み終えたあと、同作者の『ほかのエッセイ』も読みました。
その上で、この方はだいぶ過激で極端な類の読み専だと感じます。
自分とはまったく違う、苛烈だ、と感じる部分にはとても驚きました。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いタイプだというこの作者さん。
こちらのエッセイはかなりマイルドです。
しかし少々の毒があり、人によっては多少打ちのめされるかもしれません。
多くの読者は作品の裏にいる作者のことを考えることはあるのか?
「第15話 素性など知ったことではない。」のラスト3行には、そこはかとない恐怖を覚えました。
けれど歯に布着せぬ見解だからこそ、作者・読者ともに読む価値はあると思います。
私には毒を含む言葉を書く勇気がありません。
そのため、率直に自分の見解を述べる姿勢は尊敬できると感じました。
登録:2021/7/23 13:02
更新:2021/7/23 17:15