新米警察官である間宮稔。彼は翠眼と呼ばれる目を持っており、人ならざるものを見ることができた。それによって人ならざるもの――幻想種と呼ばれるものたちが関わる事件に巻き込まれた稔は、幻想種が関わる事件を担当する「幻想課」に所属することとなる。
人間の欲望に呼応し、それを叶えるために害を及ぼす幻想種と、呼び出してしまった人間。剥き出しになった痛切な願いや、人を追い込む悪意にぶつかりながら、稔は自分の正義を探していく。一連の事件の裏で糸を引いている異母兄、間宮亮を逮捕するために。
人間や社会の負の面や、主人公の稔が追う正義についてが巧みに描かれた、臨場感溢れる高クオリティの作品。形式は刑事ものですが、ファンタジーの要素が絶妙に絡みつき、面白さを増しています。このファンタジーの要素も、古典から都市伝説、童話まで、幅広く取り入れられています。稔を始めとしたキャラクターの造形も多彩で、幻想課の人々だけでなく、敵側のキャラクターも魅力的です。
何が正しいのか、善いことなのか。簡単に答えを出せない中で奮闘する稔たちを、ぜひ応援してください。
登録:2021/8/14 11:08
更新:2021/8/14 11:08