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勘違いから始まるハイテンションラブコメディ

5.0
1

 メインの登場人物である三人の感情のベクトルが、面白いようにすれ違っているラブコメ作品です。

 本作の魅力は──?

 第一に、舞台設定が整うのが早いこと。これに尽きるでしょうか。冒頭二話を読むことで、彼ら彼女らの勘違いがどんな拗れを生んでいるのか一目瞭然なのです。

 主人公たちも、設定も、ひと癖あって魅力的なのですが、これを支えているのが豊かな語彙力であり丁寧に描かれる心情でしょうか。

 ちょっと拗れた? 主人公の考え方や言動に、たびたびクスリとさせられること請け合いです。 

 他にも、引きの強い展開とやっぱり癖の強いサブキャラ群も秀逸なのですが、エピソードタイトルにも目を向けてみて欲しいです。


※ここから、私がいいな、と思ったものを抜粋します。


「はじめの一稿」 ⇒ 私が大好きな、とある漫画作品のオマージュです。

「サヨナラステーション」 ⇒ いや、そのまんまなんですけどね。このシュールな感じいいですね。

「読者(きみ)が望まない永遠」 ⇒ ネタバレになるので詳細触れられないけど、これ上手いなー。

「ヒカルしっかりしなさい」 ⇒ これまたシュール(笑)


 このように、細かいところまで手抜かりのないアイディア力・文書力ともに非常に高く、書き手としても参考になる部分が多いことでしょう。


 もしかして? 禁断の関係もあり得るのか?

 読み始めたら目が離せなくなる抱腹絶倒のラブコメディ。ぜひ、ご一読を。

木立花音(こだちかのん)

登録:2021/10/11 22:28

更新:2021/10/11 22:28

こちらは木立花音(こだちかのん)さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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木立花音(こだちかのん)