人の想いはそのひとがいないからといって、止まっているわけではない。
誰かにバトンタッチしていく。その思いを時計に仮託した作品。
文中に父の腕時計、彼の腕時計、町の時計、と三つの時計が出てくる。
ひとつは止まったまま、もうひとつは修理で動き出し、三つ目は新しい技術と意匠をえて趣を変えて蘇る。
古い技術の上に新しい技術を加えることで、作品は永遠の命を得るのだ。
止まっていたのは、父の時計ではなく、自分だった。
私たちも勝手に止めてしまったものがあるんじゃないかと気づかせてくれる作品だった。
構成が難しくて3回も読み直しました。もう少し描写やセリフでの説明があったほうが親切かと思い、-0.5しました。
登録:2021/12/20 00:10
更新:2021/12/20 00:07