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ジャンル:ファンタジー

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断頭台のデュラハン

何もかも諦めて生きていた主人公に、異世界生活で少しづつ変化が起きていく

【主人公の目的と世界観】 ・異世界転移(死後なので転生でもある) 〈どんな状況で転移したのか?) 主人公は不運な死を遂げ、死後裁判を受けていた。判決が出ようとしていた時、警報が鳴り裁判を行っていた女神と共に、異世界に転移してしまったのであった。どうやら誰かの召喚術が失敗し巻き込まれたようである。 〈主人公が抱えている問題とは?) 転移直後は女神と共にいたが、そこが何処か分かると帰ってしまった為、一人で異世界に残される。主人公が肉体を持ってしまった為、彼女の管轄外となった為である。つまり、孤立無援。目的も持たぬまま、彼はこの世界で生きていくことになる。スキルを持っているのかは不明。異世界転生の王道的な、トラックに轢かれて転生、スキルを貰うという流れ(物語)とは異なる。 【どんな物語なのか?】 主人公は不運な死を遂げ、死後裁判を受けていた。彼は何にも期待をしていない人間。なんの希望も持たず、諦めたような印象を受ける人物。その彼が、裁判の判決の下る直前に異世界へ飛ばされてしまう。誰かの失敗した召喚術に巻き込まれたと女神は想定。どこにいるのかもわからない森に辿り着いた主人公たちであったが、その場所にはたくさんの白骨化した遺体が転がっていたのである。その遺体についていた紋章から居場所を特定した女神は、自分の世界へと戻ってしまう。一人取り残された彼は、ある声に気づき声の方へ向かう。しかしそこは”いかにも”という洞窟の入口だったのだ。なんとか勇気をもって中に入ると、そこには胴体のない美しい顔があった。 ひと悶着あった後、言葉を交わせるようになるのだが、その経緯に飛んでもない事情があったのだ。それと引き換えにこの世界の知識などを得ることができたはいいが、ある意味諸刃の剣状態に! 【オリジナル要素などについての感想】 主人公はかなりクールで合理的な考え方の持ち主であり、現実世界ではなんの面白味も感じずに生きていたのではないか? という印象。しかし異世界では、順応が速く楽しんでいるようにも感じられる。この物語のオリジナルの部分は、かなり面白い。それは失敗(異世界への召喚とは別)により結果そうなってしまったというものであるが。彼はそれにすら順応している。 そしてデュラハンとは良いコンビだと感じた。 【見どころ】 異世界転生ものというのは、転生や召喚と違い突然飛ばされ”目的がない”まま始まることの多いジャンルである。転生の場合は現世の記憶などから、以前とは別の人生を歩む、もしくはやり直すと言った方向性に進み、召喚の場合は予め主人公のやるべきことが決まっていることが多い。しかし異世界転移は例えるなら、”ノープランで旅に出て、ついた先で目的を決める”というスタイルに近いものが多い。この物語も、主人公は目的を持って異世界へ来たのではなく現地にて、何をするのか目的が出来たというスタイル。 とはいえ、主人公は出逢ったデュラハンの目的を叶えるために同行するという方向性の物語である。序盤ではまだザックリとしかこの世界のことについて明かされてはいない。しかし主人公は、前世よりも生き生きとしているように感じた。果たして彼らは、胴体を見つけることができるのだろうか? この旅の終わりに主人公は何を想うのだろうか? そして結末とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

濃縮版 冬野つぐみのオモイカタ

テンポの違う濃縮版。しかし、面白さは健在。果たして犯人の動機とは?

【物語について】 事件現場から始まっていく。 一体何があってこんなことになってしまったのだろうか?  主人公、冬野つぐみは大学生。人づきあいが苦手で消極的な女の子。彼女には同じようにおっとりとした親友がいる。名前は、千堂沙十美。大学に入ってから出来た友人である。そんな彼女は、坂田有という想い人がいた。彼は気遣いの出来るグループリーダーという印象で、目立たない二人にとっては別の世界の人だったに違いない。しかし、ある日を境に親友は変わり始める。それまで自分と同じように控えめだった彼女は、アクセサリーをつけたりお洒落になっていくのだ。その結果、主人公と一緒に居るよりも、坂田たちと一緒に居る時間が増えた。だが、一緒に居る時間が減った直接的な要因は、彼女の一人行動にあるのかもしれない。変わっていく親友、変わらない自分。少しづつ距離の出来てしまった二人。そしてある日、親友は行方不明になってしまうのであった。 【どんな事件なのか?】 主人公の住む町では、人が黒い水を残して消えてしまう連続行方不明事件が起こっていた。主人公たちはそれを都市伝説だと思っていたが、それには理由がある。恐らく一番の理由はニュースなどになっていなかったからだろうと推測。その為、まさか自分たちがその事件に巻き込まれるとは思っていなかったはずだ。犯人は誰なのか? その目的とは? 【舞台、方向性】 舞台:現代。大学などを中心に展開されていく。 方向性:明確に事件をする役柄(刑事や探偵など)というものに収まっているわけではなく、主人公が持ち前の観察眼や洞察力などを活かし事件の真相を暴くもの。 【オリジナル設定について】 舞台は現代ではあるが、異能力が出てくるため、ミステリー×現代ファンタジーというカテゴリーだと思われる。詳しい能力についてはネタバレになるので、物語を参照。 【登場人物について】 この物語は、群像劇。多角的に物語が語られ、事件の全容が明らかになっていく。 冬野つぐみ……主人公。大学生であり、鋭い観察眼を持つ少女。 千堂沙十美……行方不明になってしまう、主人公の親友。ある雑貨でアクセサリーを購入した頃から言動に変化が起き始める。 【感想】 どんな事件に巻き込まれていくのかはあらすじにあり、冒頭でも触れている。しかし目的と犯人は謎のままだ。その後、事の発端が明かされていく。この物語は、明確に事件が起きて捜査という、刑事ものでも探偵ものでもない。違和感の積み重ねがやがて、いつの間にか事件へと発展している形であり、主人公は行方不明になってしまった親友を探そうとする。 ここで重要となって来るのは、主人公の観察眼だ。ことごとく、違和感の正体を暴いていく。とても自然な流れであり、”推理してます!”というスタイルではない。それはふとした疑問であり、不協和音のようなものである。 確かにミステリーではあるが、構えるような感じでないところが特徴だと感じた。この事件で一番気になるのが動機である。なんのためにこの事件を起こし、何に活用するのか? そしてターゲットとなる人物の共通点は? 気になる部分の多いミステリーだ。果たしてこの物語の結末とは? 【見どころ】 この物語では、協力者を得て事件を探るというよりは、協力者となって事件を探っていくと言った方が近いと思われる。そこがこの物語にオリジナリティを感じる部分であり、全体を日常から非日常へナチュラルに変えている要素の一つであると思われる。つまり、気づけば事件に巻き込まれていて、事件に関係したことに自然と触れているという構造だ。その為、伏線”には”気づきやすいが伏線で”あること”には気づき辛い。もちろん勘の良い人ならば気づく可能性は高いのだが。その結果どんなことが起きるのかというと、違和感に主人公が気づき、読者が”確かに鋭い!”と追って気づく。しかしそこで、stopがかかるのだ。つまりそれは、事件に関係している”何か”であり、伏線だということだ。とても面白い構成だと思う。 既に分かっていることと分からないことのバランスも面白い。この物語では前述したように”犯人が誰か?”よりも”動機”に謎を感じるのだ。犯人として怪しい人は何となくわかるかもしれない。しかし動機とその用途となると全く予想がつかない。ここが明かされていくのがとても楽しみである。 異能力者たちの能力は割と早い段階で、どんなモノか明かされていく。しかし、それをどう利用し事件の真相を暴くのか? となるとまた別となる。果たして彼らは主人公を協力者と招き、どんな計画で、またはどんな方法で事件を解決していくのだろうか?  あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お勧めです。 (21ページ目まで拝読)

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crazy's7

クリストキントの贈り物

あまねく人にクリスマスを

アドベントカレンダー2021(※1)のラスト、クリスマスイブを飾るに相応しい、心やさしい作品です。 作中の架空の村は、生まれついての貧富の差や職業的階級のある世界。それはコロナ禍や貧困、家庭の問題など様々な理由で子ども同士の繋がりが断たれる今の社会を反映しているかのようです。 その中でクリスマスイブに起こるささやかな奇跡は、より大きな奇跡のきっかけとなりました。与えられた奇跡よりも、自分たちに何が出来るかを考え、努力して掴み取った奇跡のほうが、よほど素晴らしいものでした。 この作品には、「人は他者と繋がって生きるもの」や、「未来を切り拓くには行動を起こさなければならない」、などいくつものメッセージが散りばめられています。 昔話やファンタジーの体を借りつつも、現代の、とくに子どもたちへと向けたメッセージはきっと、読者の心を打つでしょう ぜひ、ご自分の目で確かめていただきたいと思います。 はやくもよいち ※1 しのき美緒さん企画のアドベントカレンダー小説版 on エブリスタ   11/28から12/24まで、27名の作家が毎日、一作ずつ順番に新作を投稿しました。   詳しくは、下記リンクを参照してください。   https://estar.jp/novels/25879925

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はやくもよいち

快傑令嬢

文字に載せて伝わる圧倒的映像。

 まるで文字で創られたVRゴーグル。 それがこの作品を読み進めた感想です。  文字を追い、イメージを膨らませ、どんな世界かを頭で想像しながら、我々読み手は物語を「読む」 普通は、そんな感じ。  でも、この作品は違いました。作品を読ませるのでもなく、見せるのでもない。  街並みが、石畳に敷かれた軌道が、そこで往来する人々が、緻密に描かれた世界が、全くストレスなく脳に直接的に流れ込む事にただただ驚きました。  映像化された場面が勝手に頭に描かれる感覚は、マジかよ、と笑ってしまうほどです。  一話目を読み終える頃、私は【作品を読む】のではなく、この世界にあっという間に招致されていた錯覚に陥りました。  街の構造、規模、人口数、交通インフラから、屋台や市場の様子や、その世界の人々の暮らしといったマクロな観点から、ランプの中で立ち上る青白い光、登場人物たちの揺れ動く感情の機微といったミクロな観点まで、実に多彩な視点で余すところなく、精細に映像化され伝わってきます。  作中で眼に見えるそうした僅かな一片の裏には、膨大で精密に設計されたバックボーンの存在をありありと感じながらも、それを読み手に負荷をかけることなく伝えてくる表現力は、眼に見えざる作者がそっと手を引いて世界を案内してくれている気分になります。  主人公と専属メイドである二人が織り成す、テンポの良い会話と痛快で心地よい関係性は「この作品最大の見どころ」です。その内容は、笑いあり、涙ありですが、詳細は是非ご自身で読み進めて確かめて欲しいと願うばかりです。  本当に素晴らしい作品です。一人でも多く読まれることを願い、稚拙ながらレビューさせて頂きました。

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防衛太郎

Fated world 机上から零れた空論

それは奇跡なんかではない。空論のその先へ──彼らが巻き込まれた事件の真相とは?

【物語の始まりは】 主人公が旧友から名指しで依頼を受け、二年ぶりに再会。魔法学とは何か? 魔法とは何かについて語られていく。それに付随し、アーサーレオ王国の自由騎士団とはどんな任務(依頼)を請け負っているのかなども明かされていく。彼らは、昔ながらの生活を守る民族が暮らしているウエスタンヒッツと呼ばれる森林地帯に向かっていた。序章ではウエスタンヒッツがどんなところなのか? 守り神についての仮説などが語られるが、当然ながら簡単に見ることは出来なかった。それでもその日は村長の宅にて滞在することを許されるのであった。果たして彼らは目的を遂げられるのだろうか? 【舞台、方向性】 ファンタジー世界が舞台。しかし魔法は机上の空論とされている。 ウエスタンヒッツの民は、独自の守り神を祀っている。その守り神の調査が目的。主人公は親友の依頼を受け、守り神が祀られているという集落に向かう。滞在中のある夜、事件に遭遇しその疑いを自分に向けられてしまうのだった。 オーバム……恐らく化学反応でなにかが出来るようなもの。例えばランプの代わりになったりなど。なので魔法とは異なる。 〈用語・補足〉 文化人類学とは? 人間の生活様式全体の具体的なありかたを研究する人類学の一分野。 (Wikipedia調べ) 【オリジナル設定】 王国騎士団の大部分を構成しているのが自由騎士団。身分の保証と、ある程度融通の利く生活が約束されている。平常時から広く民間からの依頼を請け負っており、旅商人の護衛や要人警護などが仕事らしい。それというのも、国指定の地域に出向く際には護衛を雇う決まりがあるからのようだ。自由騎士と契約するのは高価らしい。 それに対し、近衛騎士団は本国に駐在している。 【主人公について】 アーサーレオ王国の自由騎士団に所属する青年。 ある事件をきっかけに、突然魔法が使えるようになる。使えるようになったことに対しての仮説はあるが、まだ定かではない。 【どんな事件なのか?】 それは不可解な事件としか言いようのないものであった。魔法学を研究している親友のケイクに雇われ、主人公は共にウエスタンヒッツに向かう。そこでは、昔ながらの生活をしている民がおり、彼ら独自の神を祀っていた。 ケイクはこの守り神は、マザーエッグなのではないか? と推測し、調査をするためにここに来たのである。だが案の定、村人以外には”守り神”を見せることはできないと断られてしまう。元から簡単に交渉が巧くいくと思ってなかった彼は、まずは村について知る、彼らと仲良くなるという地道な作戦に出た。そして順調に計画が進んでいると思われた滞在数日後の夜、事件は起きてしまう。守り神があると思われる方向に異変が起きたのだ。村長、ケイク、その日村の掟を破り主人公の部屋に訪れていた村の子供のランディと主人公は、守り神の元へ向かうのだが……。 【登場人物について】 〈主要な人物たち〉 ルシオン……主人公 親友ケイク……大学院生、魔法学の研究をしている ジュノ……ウエスタンヒッツの村長 ユラ……村長の妻 ランディ……村の子供 (ネタバレ回避の為、あえて詳細は控えております) 【感想】 数奇な運命だなと感じた。偶然は必然と言うが、もし○○だったなら? が散りばめられているように感じる。確かに彼らがこの村に訪れていなければ、主人公が疑われることも追われることもなかっただろう。しかし、彼らがそこに行こうが行くまいが、事件は起きるだろう。そして誰にも知られないまま守り神を失い、村長を失い村人は路頭に迷う。主人公達がその時期に訪れたのは単なる偶然なのだと考えられるからだ。 そしてこの時期に訪れ、地道に彼らとの交流を持とうとしたからこそ、主人公は一人で逃げるという選択肢を選ばずに済み、魔法の存在にも気づけた可能性もあるし、生きることができたとも考えられる。 問題は山済みのようだが、魔法が使えるようになった仮説と自分自身の身体について納得した主人公。ここで序章でのケイクとの話などに繋がっていき、なるほどと思った。村から逃げることになった主人公ではあるが、道中には明るい様子もありその反面、不安もよぎる。一体犯人は何処から来たのか? 果たして、魔法が使えるようになった主人公は自国でどのように扱われるのか? など。現時点はまだ謎なことが多く、いろいろと想像力を掻き立てられる物語であると感じた。 【備考 (補足)】70ページ目まで拝読中 【見どころ】 序章も含め、いろんな部分からこの世界に関する情報が入って来る。それが繋がっていくのは一章に入ってから。ただそれには意外性もあり、え? となる展開である。事件に巻き込まれ、疑われると言うと方々から追手が、という逃亡劇を想像するがそういったアクションの方向ではなく、論理的に物語は進んでいく。 真犯人の目的も容姿も所在や素性が分からない為、何処で遭遇するのか分からないドキドキ感はあり、魔法が使えないこの世界で、魔法が使えるということがどんな影響を及ぼしていくのかも気になるところだ。ただ、この魔法が使えるようになる人物に関しては法則がある。誰でも使えるようになるわけではないということだ。なので、人体実験されたりするのでは? という恐怖もある。 主人公は果たして、親友と再会することはできるのだろうか?  真犯人を突き止めることはできるのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

魔王国の宰相

ピンチをチャンスに変えた、主人公の魔王城での宰相ライフ!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ハイファンタジー 誕生日の翌日、主人公は目が覚めたら真っ白な世界にいた。彼をそこに呼んだ者が言うには自分には”異世界に行く権利”が与えられたらしい。そこで自分の欲しいスキルや装備を受け取った彼は、冗談で言った”いきなり魔王城に飛んでもいいくらい”という言葉が受理され、いきなり魔王城に飛ばされたのであった。初っ端からピンチに陥る主人公、どう切り抜ける?! 【物語の始まりは】 魔族の国にて宰相をしている主人公の日常から始まっていく。何故、人間である彼が宰相という地位についたのか? 話は一か月前の誕生日に遡る。24歳の誕生日。例年通り誕生日を誰かから祝ってもらうということもなく、残業をし日付の変わる少し前に帰宅した。その日、日常と違ったのは母からの祝いのワインを嗜んでから眠ったことだろうか? それとも妄想のせいだったのだろうか? 次に目覚めた時、彼は真っ白な世界に居たのである。これから彼にどんなことが起きるのだろうか? 【舞台や世界観、方向性】 魔物や魔法、魔族の存在するファンタジー世界が舞台。 主人公は現世で死亡したのではなく、異世界へ行く権利を与えられ、転移した。 この世界では、魔法と魔術は明確に異なる。 〈用語補足〉 宰相とは?……総理大臣のこと、もしくは参議を中国風に呼んだ語。 中世から近代初期にかけて、主に英国以外の欧州の君主の政務を補佐した廷臣の通称。(Wikipedia調べ) 【主人公と登場人物について】 主人公は魔王城に転移してしまった為、周りにいるのは魔王を始めとした魔族 ばかりである。幹部は人型が多いようで、スキルのお陰か会話には困らないようだ。魔王は会社で言うところの上司にあたるが、全体的に堅苦しい感じはなく、テンポのよい会話で進んでいく。主人公が砕けた話し方をすることも関係しているのではないかと思われる。仰々しい雰囲気の物語ではない。 【物語について】 真っ白な世界で目覚めた主人公は、明晰夢だろうと分析し歩き出すことにした。予感が当たったのか、突然石造りの建造物が現れる。そこで彼は”神に選ばれた”と告げられる。異世界へ行く権利が与えられたのだ。欲しいスキルと装備を受け取った彼は、何気なく呟いた”いきなり魔王城に飛んでもいいくらい”という冗談を真に受けられて、魔王城に飛ばされてしまったのだった。 しかも飛ばされた先は、玉座であろうか? いきなりのピンチ。彼はこのピンチを切り抜けるために、自分の能力や宰相がどんなものであるかを説明し、宰相として自分を推薦したのである。どうやら彼らの状況はひっ迫しているらしく、この案は受け入れられることとなるのだ。しかしこの時点ではまだ信頼関係が出来ているわけではなく、主人公が彼らにとって敵ではないという程度。 翌日、幹部たちとの顔合わせを済ませ、いよいよ彼の異世界での生活が始まっていくのだった。 【良い点(箇条書き)】 ・異世界での生活を楽しんでいる雰囲気が伝わって来るので、以前の現実世界に未練が無いということにリアリティを持たせていると感じられた。 ・主人公が生活していくのは、現実世界とは全く異なるファンタジー世界。もちろん現実世界とは異なることが多い。その為、彼の知りたい欲求を叶えると同時に世界観の説明になっている。かなり詳しく描かれていると思う。 ・ファンタジーや異世界ものと言うと、主人公が”世界の主役”という立場のっものが多い。例えば勇者だったり、魔王だったり、実は何かの鍵を握っていたりと。この物語では主役級の立場とは異なり、魔王を支える役割となっている。それでもキーマンであることは確かだと思う。 【備考(補足)】21ページ目まで拝読 【見どころ】 魔王視点というものは見かけたことがあるが、そもそも魔族らしさとは何だろう? と考えさせられる物語である。主人公は個性的な人物だが、職場に一人はいそうなタイプの人物でもある。それはどういうことかと言うと、親しみやすいかどうかは人によるとは思うが、”日本人の気質、民族性”を持った人物だという印象ということだ。 それに対し、魔王は凄く丁寧に話す人物(魔族?)だなと感じた。職場で例えるなら社長というよりも、教育係に近い印象である。どっしり構えて、部下に任せるよりも、丁寧に説明や指導をしてくれるタイプ。主人公は努力家だが、素質もあるようで物事がかなり順調に進んでいく。 この物語は主人公が魔王側に革命を起こしていく、という珍しいスタイルである。彼の話し方などにより、国会のような堅苦しさよりもサークルのような和気あいあいとした雰囲気を持つ(実際に和気あいあいとしているかは別として)。そんな彼が、実力を見せつけ魔族たちと親交を深めたり、共に戦ったりしながら信頼関係を築いていく。人間サイド側からの物語を読んで、ご都合主義だなと感じる人には、面白く感じる物語なのではないだろうか?  その内容は様々で、戦争に関することもあれば身近な掃除に関することもある。種族が違うことで感覚の違いもあるだろう。そういう部分にもスポットがあてられている。読了部分ではまだ、主人公が正式に宰相に就任したばかりである。これからどんな問題が彼を待ち受けているのだろうか。それをどんな方法で乗り越えていくのだろうか?  あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

ダーティーホワイトエルブズ ~現代に転移して魔物退治人となった魔力ゼロのエルフは誓う。クズ野郎で転生チートスキル【主人公属性】を持つ弟に死を、と~

視点が変われば世界は変わる。二人がこうなってしまった経緯とは?

【物語の始まりは】 兄が弟を殺害する場面から始まっていく。二人の間に何があったのか? 戦闘シーンの後、これまでの経緯について語られていく。 【どんな物語なのか?】 この物語では、”あえて”主人公不確定と感じるように書かれているという印象。それは正義の概念に似ている。戦争などではA国の立場の正義とB国の立場での正義は違う。自分は間違っていないと思って戦っているはずである。一人一人がどう思うかは別として、国なり個人なりの大義名分があって戦っている。この物語は、兄から見た時、弟から見た時、どちらの立場から見るかで感じ方の違う物語であり、どちらが正義なのかは読み進め、真実が明かされるまでは分からない仕様となっている。 【舞台や世界観、方向性】 この兄弟は異世界から現代にやってきたエルフ。きっかけは魔物退治。そこでパーティが全滅してしまい、気づいたらこの世界にいた。 彼らが現在いる世界は現代に近い。飛行機、自動車、スマホにインターネットが存在しており、この世界で兄は魔物退治を行う聖職者集団である“騎士団”という組織に拾われた。恐らく順風満帆な人生を歩んでいたのだろう。しかし、こちらの世界に来てから数年後、弟に再会したことから事態は急変する。 【登場人物について】 二人は元はこの世界に住人ではなく、魔法の存在する世界にいたエルフ。森での生活を敬遠し、人間の街で冒険者として生活していた。 兄(本名は分からない。マロニーと名乗っている)……魔法の使えないエルフだったが、こちらの世界では魔素が少なく元々魔法が使えない世界だった為、彼にとっては過ごしやすい世界であった。 弟(ミトラ)……転生チート主人公属性を持っている。 【感想】 一言でいうなら、皮肉の詰まった作品だなと感じた。ご都合主義の悪い部分を剝がしていくような物語である。どちらかというと爽快感というよりも、気持ちがとても分かると言った方向性だ。 人間の本質を抉り、外側しか見ていない能無しがどんな風に見えるのか? 社会の縮図でもあるし、親兄弟の縮図でもあるだろう。無能な人間ほど、汚いことをするものだが、元々才能があるわけでもないので中身は空っぽで、薄っぺら。しかし外側しか見ていない人間は、そこに騙され破滅の道を歩む。離婚についても、原理はこれと同等だと思った。恋をしているうちは、相手の本質など見えていない。結果、自分の想い通りにならないと文句ばかり言うか、離婚という形になる。人間関係とは、どんな関係性でも立場でも変わらないものだなと、改めて感じた。 【備考(補足)】第10話まで拝読 【見どころ】 この物語はどちらかというと、募らせた憎しみがどう動いていくのか、というようなダークな内容である。兄が弟を殺すところから始まっていき、これまでの経緯が独白によって展開される。過去に何があったのか? どんな環境で何を想って生きていたのか? この兄弟がどんな人物でどんな力関係だったのか? その中で感じるメッセージとは、”チート”とは何なのか? ハーレムとは何なのか? という根本的なものだ。砕けて言えば、チートな主人公はジャイ〇ンと変わらないよね、ということだ。自分の意のままになる世界の中で、人はそんな主人公に何を感じているのか? 通常物語では語られない、主人公以外の人物の本音が明かされていく物語だと感じた。ある意味怖い物語だ。 例えば、学校や職場で傍若無人に振舞っている人物がいたとする。周りは大人だからニコニコしているかもしれない。しかし腹の中では何を考えているのかわからない。もしかしたら全員が敵かもしれない。こういう怖さを思い知る作品でもあると思う。”主人公”というベールがはがされた時、彼の周りの世界はどうなっていくのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

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