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ジャンル:ホラー

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愛の尻拭い

この世のあらゆる「しんどい」を集めて煮詰めたみたいな地獄

 毎日を自堕落に生きるめんどくさがりの男の、平凡な日常とその行く末のお話。  ホラーです。それもドロドロと鮮烈なえぐさが山盛りの不条理系ホラー。とにかく強烈というか濃厚というか、いろんな種類の「不快」が一気に降り注いでくるかのような、本当に容赦のない作品です。  何かにつけては「だるい」といい、あらゆることに対して投げやりな態度の主人公。率直に言ってあまり好感の持てる人物ではなく、実際どう見ても褒められたものじゃない言動も多々あるのですが、でもそんな彼の行く末に付けられたこの『愛の尻拭い』という表題。なかなかにえぐいものがあると思います。  中盤にある衝撃の展開を皮切りに、一気呵成に畳みかけてくるかのような悪夢の猛ラッシュ。この終わりのない憎悪と不快感のエレクトリカルパレードみたいな展開が、もう本当の本当に刺さりました。いやだって確かにひどいやつだけどでもこいつそこまでのことした!? と、つまりは「もうやめてあげて」とごく自然に祈ってしまうほどのこの救いのなさ。こんな体験だけは絶対にしたくないと思わせてくれる、あまりにも地獄めいた物語の終着点。とにかくしんどくて、本当にキツくて、その辺りがとことん最高な作品でした。

5.0
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和田島イサキ

食い違う二人と独り

じわじわと、でも確実に迫る、得体の知れない恐怖

 いつも一緒にいた〝はずの〟三人の、ただただ食い違う現実の物語。  ホラーです。雰囲気づくりがうまいというか、とにかく巧みに恐怖感を煽ってくれるお話でした。  なにが起きているのかはわからないものの、でも何かよくないことが起きていることだけは確実にわかる、そんな主人公の視点から追っていく話の筋。親友との対話が続く中、でもその内容がことごとく食い違い、原因もわからぬままひとまず話を合わせ続ける、という状況。不思議で、先を気にさせる話の組み立て方も見事なのですが、でもそれ以上に主人公の内面描写を通じて伝わる、この緊迫感の鮮烈さにやられました。  語り口の味付けや、倒置の使い所。読点の打ち方に加えて、会話文の絶妙な不自然さなど。主人公の状態が文章から伝わるというか、表面上は必死で話を合わせながら、でも内心の考察に脳のリソースの大半が割かれているこの感じ。読書のリズムそのものが、浅く早い呼吸に誘導されるような感覚。語り口の妙技に絡め取られ、そのまま最後まで持って行かれます。なんとも巧みで、なによりとても好きな味わいの文章でした。

5.0
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和田島イサキ

得体の知れない小説たち

好奇心から巻き起こる、人間の言動はどんな末路を辿るのだろうか?!

★どんなことをテーマにした作品なのか? テーマに関してはよくわからないが、好奇心から巻き起こる人間の末路が描かれているように感じた。 【小説から生まれたミサキ】 1 どんな物語なのか? 主人公がある賞に落ち、吞んで帰ると裸の女性が部屋にいた。彼女は「あなたの小説から生まれてきました」と言った。これは現実なのだろうか?! 摩訶不思議な物語。果たしてどんな結末になるのだろうか? 2 好きな所や印象に残ったところなど。 ・死んだ魚のような眼差し 嬉しそうじゃなさそうな所が面白いと感じた。 ・思い通りにしているようで、想い通りにされているところ。 ・いい目を見ているようには感じるが、結果的には良い目は見ていないところ。 ・結末が凄い。 3 物語の先を想像して。 これはどう考えても、先は見えない! 【ガイビル】 1 どんな物語なのか? 連日の大雨で家に引きこもっていた主人公が気晴らしに外へ出るという場面から始まっていく。主人公がある小川までたどり着くと住民たちが片付けに追われていたのだが、とある家に張り紙を見つけたのだ。そこには”ガイビルに注意”と書かれていたのである。ガイビルとは一体……? 2 好きな所や印象に残ったところなど。 ・注意されたにも関わらず、レールの上を歩くようにガイビルに取りつかれてしまうのが面白い。本人にしてみれば笑い事ではないのだろうが、何故わざわざ危険に近づいたんだ! とツッコミたくなる。 3 物語の先を想像して。 主人公の思惑通り、次の犠牲者が産まれるに違いない。 【金属製】 1 どんな物語なのか? 主人公が行きつけのバイクショップに行ってみると、たまたま有名バイク雑誌の編集長も来ていた。店主と三人でバイク談義に花を咲かせていたが、編集長が興味深い話を聞かせてくれたのである。興味を持った主人公は実際にその場所を訪問したのだが……? 2 好きな所や印象に残ったところなど。 ・今の自分と言われ、渡されたものに関して凄く深く考えてしまう。色や形状が関係あるのだろうか? なんだかホラーだ。 3 物語の先を想像して。 主人公が手にしたものは、必要なモノではなく今の自分の象徴なのだろうか? 彼がそれに対し、どうするのか想像がつかないなと思った。 【戻る必要のない場所。】 1 どんな物語なのか? 主人公はある山に、行ってはならない神社があることを友人から聞く。そこがどんな場所か詳しく聞いた主人公は好奇心を刺激され行くことにしたのである。 2 好きな所や印象に残ったところなど。 ・無謀過ぎて面白い。何故ダメと言われているのに、行こうとするのか? それだけでも笑ってしまう。欲望のまま目的地に向かった彼が欲望のままに生きているところが何とも言えない気持ちになる。 3 物語の先を想像して。 このまま朽ち果てるのだろうか? 【気付かぬ自分の闇。】 1 どんな物語なのか? 主人公はある日、各地にある民話や伝承を収集しそれをアーカイブ化する団体の日本人スタッフとして活動している友人を訪ねる。彼は民話や伝承を翻訳してネットに公開する作業をしていた。主人公はふと、公開できないものもあるのではないかと、好奇心が湧き友人に訪ねるのであった。 2 好きな所や印象に残ったところなど。 ・この公開することのできない内容について、明確にはされていない。しかしそれが主人公のその後の出来事と繋がっている。人は闇にのまれやすい生き物なのだなと改めて感じた。 3 物語の先を想像して。 彼は闇にのまれた代償を支払うこととなるのだろう。いつでも闇はすぐそばにあるのだなと感じた。 *頭から5話ほど拝読 ★全体の見どころ 人間とは何なんなのか? ということについて考えさせられる。文明がいくら進もうとも、自分自身を制御するのは自分でしかない。行き過ぎた好奇心は身を滅ぼすし、人の助言や注意にはちゃんと耳を傾けるべきだと自分自身を見なおす機会を与えてくれる作品だと感じた。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
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crazy's7

怪奇短編集 ―Mysterious Worlds―

この世で一番恐ろしいのは人間なのだと改めて感じた。

★どんなことをテーマにした作品なのか? 日常のホラーがテーマの物語だと感じた。 【婆が来る】 1 どんな物語なのか? 子供を寝かしつけるためなのか? 「婆(ばば)が来るよ」 という母の言葉に怯える主人公。彼には兄弟がいるようだが、主人公はまだ子供だからか、恐怖で余計に眠れない。これは主人公にとっては逆効果なのか? 2 好きな所や印象に残ったところなど。 子供の純粋さ。 子供いうのは、大人よりも疲れやすい。その為昼寝などをするのだが、そのせいで寝付けないこともある。そうなると大人はあの手この手で寝かしつけようとする。子供は純粋なので信じてしまうが、やはり主人公のように逆効果なこともありそうだ。(余計眠れないという意味合い) 3 物語の先を想像して。 ホラー映画は最後まで見たほうが怖くないというのを思い出してしまった。 主人公にとってトラウマだったのなら、きっとトラウマが解消されたに違いない。 【どうも】 1 どんな物語なのか? 主人公が部屋で勉強をしていたその日、風が強かったのだろう。揺れるカーテンに集中力を欠いてしまう。そこで、主人公は部屋を覗き込むある人物と目が合うのだった。(めっちゃ怖い!) 2 好きな所や印象に残ったところなど。 これは長い! 初めは怖いと思うものの、よく会う近所の人と同じで段々慣れ、そのうち親しみを感じてしまうのではないだろうか? 逆に来ないとそわそわしたり……。 3 物語の先を想像して。 たぶん、この先も会うのだろうと思う。主人公だけが相手ならいつかいなくなってしまうのだろうか? それもまた悲しいなと感じる。 【準備室】 1 どんな物語なのか? それは好奇心が湧くものの、子供たちには決しては入れない場所。 ここで何が起きるのだろうか? 2 好きな所や印象に残ったところなど。 意外な結末。 一体何が起こったのだろうか? 3 物語の先を想像して。 これは、また同じことが繰り返されるのではないだろうか? どんどん増えたら置き場に困るなと思った。え? 【ゴポゴポ】 1 どんな物語なのか? 主人公がゴポゴポという音を聞き、目覚めるところから始まっていく。確かに、突然こんな音がしたら驚くであろう。 2 好きな所や印象に残ったところなど。 これは現代社会へのメッセージを感じる作品である。 3 物語の先を想像して。 うーん。これはこの地区だけではなく日本中がこうなっているのではないか? と想像した。 【霧中】 1 どんな物語なのか? 主人公の幻聴から始まっていくのではないだろうか? 2 好きな所や印象に残ったところなど。 これはとても怖い話である。常識や良識を知らないまま大人になったなら、こういう人になるのではないかという恐怖を感じる。 3 物語の先を想像して。 この物語は、子供や幻聴よりも主人公の常識のなさに恐怖を感じる物語である。しかし、一時期あるアニメが社会問題になったことを鑑みると、こういうお大人もいるのかもしれない。恐ろしい世の中である。 *100話ありますが、頭から5作拝読させていただきました。 【全体の見どころ】 まず、100話考えられることが凄いなと感じます。読んでいて思ったのは、この世で一番怖いのは人間なのではないか? ということ。恐怖というのは、理解できない、見えないなど確認できない不安から起こるものなのではないだろうか? 未知のものだから怖い。自分の意志ではどうにもならないから怖い。こういうことなのだろう。 この物語は、物語自体もホラーだとは思うが、深く考えると怖いという二重の恐怖が隠れているように感じた。いろんな捉え方ができるのも、のこの作品の 魅力の一つなのではないだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
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crazy's7

長い夜

それはホラーか、それとも純文学か。強い引きと謎によって彩られた夜(ヨル)の記憶。

 神域である山や森で、また街や里からなんの前触れも無く人が失踪してしまう事件「神隠し」が多発するなか、主人公優の身に不思議な出来事が巻き起こる── *  この作品は、ジャンルがホラーになってこそいますが、様々なジャンルの融合体ではないかな、と感じました。  確かに根幹の部分はホラーなのかもしれません。ですがそれでいてミステリーでもあり、またヒューマンドラマでもあり、はたまた、純文学的でもある。  そんな本作の魅力を端的に表現すると、謎や仕掛けの多さであり、エピソードごとの引きの強さでしょうか。  度々挟まれてくる惨劇や、不可思議なイベントの数々に、「どうして彼女はこんな行動をしたのだろう?」「この先、どうなってしまうのだろう?」と気になり、自然とページを捲る手が止まらなくなる、そんな魔力に満ちた作品です。  三人称で綴られる物語なのですが、そこを上手く利用して、主人公である優の人格が、時々「ヨル」と入れ替わるところも本作の見どころ。  いまの発言ははたしてどっちのものなのか? 巧みな表現に翻弄され、思わず首を捻ってしまうことでしょう。  主人公──優と意識を共有している「ヨル」とは何者なのか?  感動の結末を、是非、見届けてください。 *  ──優が心の中でそっと囁いたとき、紋白蝶は飛び立っていった。壮麗なる青空に向かって。

5.0
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木立花音(こだちかのん)

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