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蟲の勇者は地底に眠る

知り尽くしているからこそ設定として活かせる、作り込まれた世界観が魅力

【物語は】 混沌とした場面から始まる。ある少女が命を狙われていた。追手から逃げようとするものの、立ち向かう力もなく追い詰められ、命を奪われてしまう。 果たして、これは夢なのか現実なのか? それとも未来を予見しているのだろうか? 【世界観・舞台の魅力】 冒頭から始まる場面で、”黄緑色の血”というキーワードが出てくる。 あるショッキングな場面を通し、この物語の世界観や重要な人物の容姿なども伝わってくる。この場面で分かること、少なくともここに出てくる人物たちは自分たち人間とはどこか違っているという事。そう、彼らはあらすじにもあるように、”地球と異なる進化を遂げた存在”なのである。この部分で出てくる”ホンモノ”は一体何を指しているのだろうか。気になる伏線である。 用語補足:(web調べ) 自然選択とは個体間の適応度(生存や繁殖)の差によって生じる過程。その差がたまたまランダムに生じたものではない場合。 自然選択による進化のためには、 淘汰(選択)、変異、遺伝の3つが必要。 物語の流れがとても巧い為、自然に登場人物が紹介されていく。この場面で出てくる少女は、主人公の一人なのだろうか。それとも主人公と共に戦う仲間の一人なのだろうか。あらすじに書かれている”彼らと協力して、コーカスを暴き倒せ!”という一文から考えると、”彼ら”以外に誰かがいるのではないかと考えてしまう。しかし現時点では(この部分の文を書いている時点の拝読ページ)プロローグの段階の為、答えが出るのはまだ先のように感じた。 本編に入ると、世界観について明かされていく。 作品オリジナルの設定であり、最も重要である殻人族についても、ある少年の危機を通し、どのような生体を持つ生き物なのかが丁寧に説明されている。 どんな進化を遂げたのか。どんな部分が人間と違うのか。とても不思議で面白い設定だと感じた。 (設定についてのネタバレに関しては作家さまから、個人的に許可をいただいております) 【登場人物・物語の魅力】 舞台の設定がしっかりしてるため、分かりやすい物語である。作品のはじめのの方に世界観や設定について詳しく描かれているが、オリジナル要素が多い為、とても好奇心を刺激される。しかもつらつらと説明が入るわけではなく、要所要所で説明されるため、覚えやすく納得もしやすい。 彼らの敵となる存在はどうやって産まれたのか。 その経緯について語られているが、これは現実の世界でも十分に起こりうる”勘違い”によるものだと思われる。 その為、この物語で描かれている登場人物たちが”人間ではない”にも関わらず、共感しやすかったり、想像しやすかったりするのではないかと感じた。 武器が体の一部。 これは己の身体自体が鞘と考えると、とても面白い発想だと思う。手に持って歩く必要もないし、身体につけておく必要もない。必要な時に自分の意志で取り出せばいいのだ。しかも全ての殻人族に、備わっている、祖先から受け継がれたもの。この武器についての設定も、とても面白い。独創的である。 冒頭の少女と少し変わった能力をもつ主人公との出会い。どのように出逢うのだろうかと思っていたが、出逢う場所がとても自然な形である。出逢い方は少し変わってはいるが。ここで思うのは、主人公は田舎者で世間知らず。冒頭の少女は都会育ちもしくは現代っ子というイメージが近いのかも知れない。二人はある場所で出逢い、話をすることで地中で生活していた者と森で生活していたものの文化や生活の違いが明らかになっていく、ナチュラルな話の展開。虫からの進化であるという事も随所に活かされており、作者の拘りが詰まった作品であることが伝わってくる。 【物語の見どころ】 全体的に世界観や舞台の設定について、とても凝っており、良く練られていると感じた。子供と大人の違いや、武器について。進化の仕方や、生活や食事に至るまで”虫”からの進化であることが分かりやすい。 好きでなければここまでモチーフとして扱えないと思う。 それくらい活かされている。 そして、作品の下記にある作品の設定補足。用語など。図も入れたりし分かりやすく補足されている。虫についてよく知らない人でも分かりやすく、納得のできる世界観だと思われる。 主人公と冒頭の少女について。 どちらも個性的。主人公は天然で世間知らずであり、屈託がなく素直な印象。それに対し少女の方は、言いたいことをはっきり言う、少し気の強い子という印象である。一見性格が合わなそうにも感じるが、物語が進むにつれ少女の性格に好奇心旺盛な部分も垣間見え、案外うまく行くのではないか?と思ってしまう。読了部分はまだ序盤の為、これから二人の仲がどのように変わっていくのか想像するには早計かもしれない。 あなたも是非、お手に取られてみませんか? オリジナル設定の部分がとても良くできていて、伏線に感じる部分も多々あります。少女との会話の中で主人公は、父に教わった鍛える方法が”根拠のない話”だと知る。しかしそう方法により、強さを実感している彼はどうにも納得いかない様子。これはなにか有るのではないかと、ワクワクします。 この物語の先はどうなっていくのか。 果たして彼らにとっての脅威を、倒すことことが出来るのか。 その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7

うつろな果実

自分の当たり前は、他人にとって当たり前ではないという事。

【物語は】 主人公は大学の授業を終え小雨の中、バイト先であり居候先となっているカフェに、徒歩で向かっていた。バスでなら5分の道のりを歩いたせいか、目的地につくころには濡れてしまっていたようである。カフェについた主人公は、店主に挨拶をし、バイトの為に着替えをするのだった。 【世界観・舞台・言葉の説明】 恐らく舞台は現代であり、セクシャルマイノリティがテーマの物語でもある。近代では、”多様性があるのは当然であり、自認の男女の性が体の性別と合っていることが当たり前ではない”ということが、少しづつではあるが認知されてきているように感じる。 **補足【各言葉の意味】(web調べ) タグにある「セクシャルマイノリティ」とは、 同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー、性同一性障害など。 性のあり方が少数派であることを意味している。 性的少数者で、ジェンダーマイノリティやLGBTなどとも言われる。 最近ではLGBTに変わり、LGBTQIAと言われ、さらにLGBTQIAPKの場合のそれぞれの意味。 Q:自分の性別や性的指向を決められない、迷っている状態の人。 A:無性愛者。同性だけでなく異性に対して恋愛感情を抱かない、性的指向が誰にも向いていない。 P:パンセクシュアル。男女の性別にとらわれずすべての性を愛する「無性愛」を意味する。 K:キンキー。他とは違った特殊な性的嗜好を持つとされている。 I:インターセクシャル。 体の状態を指すものであり、現在では”DSDs:体の性のさまざまな発達” 「AIS」や「CAH」,「尿道下裂」・「ターナー症候群」など様々な体の状態があり,「私はAISを持っている」「尿道下裂で生まれた」など,個別の体の状態名で表すことがほとんど。 セクシャルマイノリティは一括りにされることが多いが、それぞれは別のものであり、悩んでいる人もいればそうでない人もいる。カミングアウトする人もいれば、しない人もいる。 それは社会の中で差別を受けることが当たり前だという意識によるものだったり、身体と心が合致していて当たり前と偏見を持っている人が大部分な為だと思われる。恋愛については相手がいることなので自分一人ではどうすることもできないが、生き方については誰もが自分らしく生きられる世の中であるべきだと思う。 【物語の魅力】 とても難しくデリケートなモチーフを扱いながらも、とっつき易いストーリーである。二人の会話の中で主人公の母の生き方も明かされていく。 ここで感じるのは、セクシャルマイノリティの難しさ。自認と性別が違う場合、身体に違和感がなくても一人称に違和感を覚えることがある。どんなに多様性が当たり前の世の中でも、見た目で判断されるということ。それは、なかなか変わらないと思われる。この物語では、いろんなマイノリティの人たちが自分の中に問題を抱えているように思う。 症状にしても心にしてもそれぞれ違う。自分の持っている感覚でマイノリティの人々に接することが、傷つけることでもあること。 例えば身体的に子供を作ることのできない人間に、同じ症状の症例などから可能性を見いだす、それ自体が傷つけることもあるということ。 いろんなことについて考えさせられる物語である。 【登場人物の魅力】 主人公は一人称が”俺”の大学生。性別(身体)は今のところ女性である。 ただこの物語では、見た目=自認ではないし、自認と見た目が合っていても男性機能を果たさないなど難しい面がある。しかしながら、それは当たり前のことでもあるのだ。 人間には、身体の男女で違う部分と、どちらにも存在する部分がある。 そして身体の性と心の性が同じである人もいれば、どちらでもないと感じる人もいるし、どちらであると感じる人もいる。さらに異性に惹かれる人もいれば、同性に惹かれる人もいる。そしてどんな人も愛せる人もいれば、全ての人間に対して恋愛感情を持てない人もいる。誰にも恋愛感情が持てないからと言って、恋愛に興味がないというわけでもない人もいるのだ。そのように、多様性があり、一概にそこに属するからと言って同じ感覚とは限らない。 そういう登場人物たちだからこそ、この物語は複雑な人間関係となっているのではないかと感じる。 恋愛物語というよりは恋愛という一つのテーマの中から、”それぞれの考え方や抱えている悩み、問題、関係性や生き方”が紐解かれていく物語であると感じた。 【物語の見どころ】 もしあなたの身体と心が噛み合っていたならば、世の中には噛み合わない人たちがたくさんいて、それぞれに自分自身と向き合いながら、”自分の人生を自分らしく生きようとしている”ことに気づいて欲しい。 自分の感覚は当たり前ではないし、押し付けるものであってはならない。偏見は、一番人を傷つけるという事だ。 例を挙げるならば、同性愛者の人に”異性を愛することが当たり前”という偏見を向けることは、異性愛者のあなたが明日からは”同性を好きになりなさいと言われる”ことと同様である。 そして心は女性、身体は男性で苦しむ人に”男なら男らしく”という言葉を向けることは、自認も身体も男性の人間に”明日からは女になりなさい”ということと変わらないという事。 それはとても暴力的であり、非人道的である。多様性を理解するという事は、自分が出来ないことを他人に押し付けないことと同様である。自分の当たり前が、他人にとっての当たり前でないという事実を受け止めるという事だと思う。(P27まで読了) あなたもお手に取られてみませんか? LGBTQIAPKと一纏めにされている問題が一つ一つ別のものであり、それぞれ悩みも違うのだという事を理解する機会になると思います 。主人公はこの先どう自分自身と向き合うのか。 二人がどんなラストを迎えるのか。 その目で是非確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7

境面世界にて ~クラスの雑魚キャラで引きこもりな俺氏、ついにヒロインと出会う~

夢と現実を行ったり来たりしながら、主人公の心が成長していく物語。

【物語は】 主人公が天井を見上げているところから始まっていく。いつもと同じ景色なはずなのに、何かが違っていた。主人公はそこで夢だと思い、動かない身体を無理矢理動かし、外へ出てみようと思い立ったのである。 【世界観・舞台・物語の魅力】 とても不思議な感じがする世界観。現実と夢を行ったり来たりはするものの、ランダムであり、曜日が同じとは限らない。どんな法則かは序盤では分らないが、あるきっかけにより夢の世界へ行くことが出来るようだ。 しかしそこでも法則があるわけではなく、夢の続きというわけでもない。ランダムに見えるが何か意味や伏線を感じる。そして何が起きるのか分からなかったり、展開予測不能なのでとても先が気になってしまうのだ。 舞台は現実世界と夢の世界。 夢の世界は微妙に現実世界とは違っている。大きく異なるのは、人がいないということ。現実で不登校な彼は何故か、学校へと向かう。彼はそこである一人の女子生徒と出逢うのである。 この物語は、主人公に都合よくできているわけではない。しかし、伏線に感じる部分が面白い。主人公は、夢の世界で出逢った少女と自分の違いに気づき、自分が今まで常識だと思っていたことが偏った考え方であることを知る。 一方現実でも、ある少女との交流が少しずつ深まって来る。夢と現実を行ったり来たりしながら、主人公が徐々に成長していく物語なのではないかと感じた。 【登場人物の魅力】 この物語の主な登場人物は、主人公と夢の中の少女。そして現実で出逢うクラスメイト、姉なのではないだろうか? はじめは自堕落な生活を良いとし、みんな本当は学校なんて行きたくないのに我慢をしていると思っている。不登校になってしまった理由については、作中で語られているため、ここでは明かさないが、そんな彼の世界は狭い。その為考え方もとても主観的である。自分が思っていることは、みんなも同様に考えていることなんだと思っているのだ。 しかし夢の世界である少女に出逢い、少し思想に変化の起きる場面がある。同じ日々を繰り返すわけでもなく、続きから始まるわけでもない。この日常が彼を成長させていくのではないだろうか? そして現実でのある問いかけ。 夢の中でのある問いかけ。 二つの問いが交差する時、主人公はあることに気づく。 この出来事がどう繋がっていくのだろうか? 現実の中での姉との関わり方にも、少しづつ変化が訪れている。 この後、主人公はどんな風に変わっていくのかとても楽しみである。 【物語の見どころ】 まず、構成が面白いところが一番の魅力であり、見どころだと感じる。 次に主人公の変化。彼は少しづつ変わっていく。この物語には笑いが多く含まれており、不登校ではあるがコミカルで重くはない。 しかし、しっかりとテーマが盛り込まれており、主人公が自分自身と向き合ったり、相手の気持ちを考えたりする場面も多い。 先の展開が予想外なのも面白い。次はこうなるのだろうか?と思っていても、大抵当たらない。 リズムはあるのに、一定でもなければパターン化もされていないのだ。まるでアドベンチャーゲームをしているような感覚に陥る部分も魅力的である。不思議な感覚にはホラー感も含まれ、謎要素もある。 単純に夢と現実を行ったり来たりしているだけではないという事である。 (現在15話まで読了) 先が読めないからこそ、面白い。 あなたも読まれてみませんか? この物語には、少女は何処から来たのか?(場所ではなく)という大きな謎があります。本当に夢の世界に住んでいるのだろうか、という謎が。 そして主人公はこの物語を通して何を得るのか。 果たして不登校の日々から脱出できるのだろうか? 主人公のその先を是非、その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

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crazy's7

インフィニティ・フォークロア・オンライン〜『スタミナ極振り』没落令嬢は命を削って錬金無双! VR世界で借金返済してたらいつのまにか『破壊神』と呼ばれてました!?〜

ゲーム好きにはたまらない。魅力的かつ最高の、エンターテインメント!

【物語は】 主人公の決意から始まっていく。 IT企業の令嬢だった主人公は、ある役員の逮捕をきっかけに転落人生へ。しかし、それで燻っているような人物ではなかったということだ。 彼女には野望がある。それを叶えられるかもしれない道を見つけたのだ。その道とは”リアルマネートレード。RMTとも略される換金制度”(引用)。このシステムを利用し、莫大な借金を返済し全てを取りもどそうと考えたのである。しかしながら、そのためには戦略も大切。 彼女は果たして、野望を叶えることは出来るのだろうか? (注意:RMTについて* 擬似的な経済システムが成立するMMORPGやMORPG、レアアイテムをプレイヤー間で取引できるソーシャルゲームなどで行われているが、2017年現在、日本国産のほとんどのオンラインゲームではアカウントの売買・譲渡、RMTは利用規約で禁止されている・ウィキ調べ) *この物語はフィクションであり、安易に真似してはいけない。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は綿密に計画を練って行動に移すタイプだと思われる。計算通りに行かないことも当然あるが、自分の状態を冷静に判断し、何でどう稼ぐのか、未来予想図なども思い描き、結果この方法を選んだのだと思われる。 とても論理的な思考の持ち主なので、モノローグ調が合っている。とても読みやすく、分かりやすい物語である。 物語の中では型破りな表現も見受けられるが、それは読み手を楽しませたり、雰囲気を楽しませたり、分かりやすく伝えるという意味合いで、web小説というツールを活かしていると感じた。文字と空間というのは、センスによって自由に表現できる場所であると思う。発想は無限大だ。 主人公がプレイするゲームのシステムについて、細かく設定されている。その為、何となくでも流れを理解てきたなら、今度はどんな新しい項目が出てくるのだろうかとワクワクしてしまう。 主人公はゲームシステムを理解することで閃きを得て、目的に向かい邁進(まいしん・まっしぐらに突き進むこと)していく。知るという事は、道を切り開くことなのだと、改めて考えさせられ、学ぶことも多い。とても夢中になれる物語である。 【世界観・舞台】 主人公が、VRMMO・フルダイブ型オンラインゲームの中で、錬金術士としてアイテムを集めたり、錬金したりしてものを換金してお金を稼ごうというのが大きな目的である。 目的が分かっている為、見どころも分かりやすい。 前述もしたが、論理的なので理由や思考が分かりやすく、世界観についてもすんなり理解することが出来る。設定がしっかりしており、細かいのに、これほどまでに分かりやすく、物語に入っていきやすい作品は珍しいのではないだろうか? RPG系統が好きな人は、恐らく夢中になりそうなシステムが満載。しかし簡単にいくわけではなく、頭を使うというところが魅力的なのだ。ポイントの割り振りによりできることが変わって来るのではないかと思う。 主人公は、アイテムなどを集める目的で体力に全振りしたものの、それが意外な戦い方を産みだすことになる。つまり、自由度も高いゲームが舞台だと言えよう。 こんなゲームがあったなら、実際に遊んでみたいと感じてしまう。それほどまでに、舞台や世界観に魅力が詰まっている。主人公の性格と、ゲームシステム、物語の展開や流れ、表現などが合致した作品であり、最高のエンターテインメントなのではないだろうか? 【物語のみどころ】 掲示板により情報が飛び交ったり、戦い方によりゲームシステムが明かされたりと、お楽しみ要素がたくさん詰まった作品である。 一人称で進んでいく物語は多いとは思うが、だから読みやすいという事ではない。モノローグ調がとても巧いのである。 流れるように、”何故こうなのか?”という事が説明されていく。そのため、その都度納得できるうえに、スルスル読めてしまう。 心情は丁寧であり、考えていることも分かりやすい。感情移入しやすいので、一緒に焦りを感じることもある。 その上で、まだ明かされていないことがたくさんあると思う。 読めばハマる。そんな印象の作品である。もしかしたら主人公には、特殊な恩恵があるのかも知れないが、チートというわけではなく発想がものをいう。スキルを使いこなすことで新たな道が切り開けるといった展開だ。 そのためピンチに陥ることもあるし、無謀なんじゃないかと思うこともある。ハラハラドキドキしたり、神プレイだ!と感心することもある物語だ。 あなたもお手に取られてみませんか? 体力に全振りし、他のプレイヤーにはエンドコンテンツなどと馬鹿にされる職業で道を切り開き、野望を叶えようとする姿には爽快感さえ感じます。 果たして彼女は、どのように破壊神となっていくのだろうか? その目で、是非確かめてみてくださいね!お奨めです。

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crazy's7

君と旅をするために

信頼し合い、必要とし合う二人に絆を感じる物語

【物語は】 ”気”で満たされた世界。 そして気とは何であるのか、その説明から始まっている。 この世界では”気”というものがとても大切であり、人を含める生き物はそれを利用することができるのだ。この物語は、人間と魔物が存在する世界で、魔法使いとして生きる少女の旅を描いている。その旅の目的とは一体なんだろうか? 【登場人物の魅力】 魔法使いである主人公は少し心配になってしまう部分もあるが、性格が素直であり、一所懸命な印象がある。そして彼女と一緒に旅をしている男の子は、しっかり者で現実主義。性格や気質などのバランスの良い二人であると感じた。 何故、二人だけで旅をしているのか。 その理由はとてもシンプルだ。 だが、まだ何か謎があるようにも感じてしまう。 主人公はこの世界では、忌み子と呼ばれる存在。話しを読み進めていくと、昔よりは扱いが随分マシではあるが、完全に差別がないわけではない。 しかし主人公は一緒に旅をするフレッドのお陰なのか、とても明るく見える。調合をする日と普段の時の、寝起きの良さが違うなど、魔法が大好きだということが分かりやすく、可愛らしい性格だと感じた。彼女はきっと、表に出さないだけで、何かを抱えているに違いないとも思う。 この物語の面白さの一つに、主人公の優秀さがある。一見ふわっとしているように見える部分もあるが、魔法使いとしてはかなり優秀。 旅を続けるためには、宿代や食事代などを稼げなければならない。当然のことだが、その能力があるからこそ、子供二人だけで旅が続けられるのだと納得がいく。実際どのように稼いでいるのかも丁寧に描かれており、その内容からは納得する部分が多い。 【世界観・舞台・物語の魅力】 この物語は優しい世界でもあるが、混沌としている部分も当然ある。子供二人で旅をしている主人公たちにとっては、危険がつきもの。 そんな中、情報を集めつつ旅をしているようだ。 一話の前後編では、どんな風に旅を続けているのか。また、この世界でのエチケットなども知ることが出来る。この物語の設定は、とても面白い。 調合の部分では設定が細かく、説明文という形ではなく、主人公の行動描写などで作り方が明かされていく。 ある花の調合の場面を用いてどんな属性があるのか、どのような魔法がこの世界に存在するのかも、垣間見ることが出来る。 【差別とリアリティについて】 多様性や差別において見られる、リアリティと世界観の絶妙なバランス。これがとても素晴らしい。 忌み子とは恐らく、差別を受ける存在である。現実世界にも差別は存在するが、全ての人間が差別的な意識を持って生きているわけではない。 この物語の中でも、主人公に対し暴言を吐く人物はいる。しかし一方で、彼女の実力を認め、他の人に紹介をしてくれるような人物もいるのだ。 人間は自分に害がなければ、差別意識が前面に出ることはない。害と言っても一概に、何かをされるとは限らないが。 そういう部分において、この物語に出てくる人物たちは、とてもナチュラルであり、人間らしいと感じた。 【この物語の見どころ】 この物語は魔法を中心として細かい設定がなされており、忌み子であることも活かされている。もちろん二人で旅をすることに、意義も意味も感じる物語だ。主人公の一人旅では成り立たないと感じた。すなわち、必然性で成り立っている物語だと言えるのではないだろうか。 優しい世界観でありながら、人が人を疑う世界。それは主人公が忌み子だから疑われているのか、魔法使いだからなのか、それとも子供だからなのか。これについては、読了部分ではまだ判断がつき辛い。 この旅の中で主人公とフレッドには、信頼し合い、互いを必要としていると感じる部分がたくさんある。二人の絆を感じる物語だ。 二人で旅をしている理由は序盤に明らかにはなるが、旅の目的はまだ明らかにはなっていない。主人公の抱える秘密とは一体なんなのか? あなたもお手に取られてみませんか? ”人を疑う”というモチーフは、通常ならあまり良い展開を期待できないものです。しかし、この物語は違う。それさえ活かされている。例えば、”対策”として面白く感じてしまう部分もある。 果たして、この旅の終わりには、何が待ち受けているのでしょうか? ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7

お兄ちゃんは『妹が!』心配です

彼らは何故この世界に転移させられたのだろうか?序盤では謎に包まれているが、とても面白い物語。

【物語は】 森の中から始まる。どうしてこんなところにいるのか分からないまま。 主人公と妹、そして幼馴染みの少年。彼らは、突然異世界に飛ばされたようだ。ある一人の訪問者と、ゲームソフトによって。一体どうしてこうなったのか、ゆっくりと明かされていくのだった。 【世界観・舞台】 序盤は森しか出て来ないので舞台について詳しく書くことは出来ないが、不思議で巨大な生き物と仲良くなれるようである。(たまたま)この生き物については、接っていくうちに人間味や可愛さを感じていく。 森の中で起きていく出来事は、兄と妹のコミカルなやり取りで面白く読みやすい。するする読めてしまう物語だが、序盤ずっと森にいるため、世界観については魔法が使えるという情報のみとなる。 彼らをここに飛ばした人物は、一体誰だったのか。箱の中のゲームは一体なんだったのだろうか。謎は多いものの特に気にならないのは、コミカルで面白いからだと言える。 異世界へ来て、初めての友達になる相手はちょっと変わった相手。だが森に詳しく心優しそうな相手だ。もし、主人公たちが里へ行ってしまったら、その相手はどうするのだろうか。愛嬌があるだけに別れがたいと感じてしまう。かといって、主人公たちが決めることなので、当然のことながら読者は口出しできない。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は、好奇心旺盛な妹を持つ21歳の青年。この物語の妹に対する心配がどんな方向性なのか。読んでいくうちに分かって来るのだが、一言でいうなら”ガチで心配”しているのだ。 元の世界に居た頃は、妹と幼馴染みに軽蔑されるようなゲーマーであったが、異世界に転移後は、妹の個性が際立つ。 少しづれている部分を笑いとしているところが面白い。 臨機応変な兄。かなり破天荒な妹。常識的な幼馴染み。 この組み合わせはとても面白い。 話が進むと、天然で人のよさそうな人が加わる。 この人物が加わると、目的や方向性が見てくる。主人公たちは、彼を手伝うことができ、無事に街につけるのだろうか。 随所に笑ってしまう箇所あり。この兄妹のやり取りはテンポがよく、面白いため、こんな妹や兄がいたら楽しそうだなとさえ思ってしまう。二人だけの暗黙の了解のと感じてしまう、会話の内容も面白い。 【物語のみどころ】 ある日、家に謎の少女が訪ねて来て、いきなり”勇者”と言われてしまう。その後、無理矢理謎のものを押し付けられ、気づいたら異世界に飛ばされていた。 付いた先は森。 目的も分からぬまま、森を彷徨う一行に妹によって最初のピンチが訪れる。 結果から始まり、時を戻すスタイルで進んでいく物語である。 神官に出逢った彼らは、無事に彼の探し物を見つけ、街にいくことができるのだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 破天荒であり自由人でありながら、人見知りという意外性をもった妹に振り回されながらも、何とか彼らをまとめながら目的を見つけようとする主人公。 彼らは何故この世界に転移させられたのだろうか。まだ謎に包まれている部分は多いですが、とても面白い物語です。 彼らのその先を是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7

人生やり直し中の魔法使いは魔王と共存《わかりあえ》ない〜二度目の人生で望む魔族と人の同盟計画〜

主人公は転生して二度目の人生を、穏やかに過ごすことは出来るのだろうか?

【物語は】 主人公が仲間を殺され、勝つ見込みもないのに、主人公が魔王に挑むところから始まる。言うまでもなく、敗北。死の間際、彼女にちょっとした異変が起きるが、助かることはなくそのまま命を終えてしまう。 その後何故か、死んだと思ったら転生してたのである。その上、生まれ変わった主人公は一般的な魔力値200に対し、50しかなかったのだった。 【舞台・世界観】 同じ世界のおおよそ1000年後に転生し、二度目の人生を歩んで行くという物語。あえて舞台を重ねていると思われる部分がある。 この世界では、魔力に関しては200が平均らしい。主人公は死ぬ間際の状態が影響したのか、転生後は50ほどしかなかった。この数値を見る限りは、かなり低いと思われる。親に気遣われ、魔法について教わることのなかった主人公。しかし、6歳の誕生日にとうとう自身の主張を通し、魔法の世界へと足を踏み入れることとなる。 そこで初めて知る自分の魔力値は、異常値を示していた。ここで主人公が、過去の記憶を引き継いでいることが活きてくる。子供では判断し辛いであろう”誤魔化す、隠す”という行動に出るのだ。 通常子供というのは、大人に認められたい生き物。なのでもし、子供の精神で描かれていたのであれば力を誇示するだろう。 このことから、もしこの物語で主人公の精神年齢が年相応だったならどうなっていただろう。多分世界が滅びるのではないだろうか。 この仮定からも、とても考えられた設定だと感じた。 前世の記憶を持っているということに、必然性を持たせた作品である。 【登場人物・物語の魅力】 仲間を殺され、自らも命を奪われた主人公。転生をし復讐を果たすかと思いきや、そうはならないというのが面白いポイントだと思う。 にもかかわらず、チート級の魔力を手に入れてしまう。ではここで、どうするべきなのか。もう、それはひた隠すほかない。主人公も予想通り、自分の能力を隠そうとするのである。 家族にとても魅力を感じる物語でもある。わき役だと思われるが、両親は主人公を溺愛しているように感じた。この両親がいたからこそ、主人公は幸せを感じたり、平穏な生活を望んだのではないだろうかとも想像する。もちろん、それが一番の理由ではないかも知れないが。 学校に通うようになり、その平穏が崩されそうになる事件が起きる。この戦いに関しては、凝られている。頭脳戦でもあり、鮮やかだ。 ここで、主人公は自分の秘密を知る者を味方(ライバル)につけるのだ。秘密は一人で抱えるのは辛い。この出会いは、主人公に良い未来を齎すのではないかと思う。この先の展開は、とても神がかっている。 つまり、何故舞台が1000年後で以前自分が暮らしていた土地なのか。この設定が活きてくるのだ。主人公は、自分の死後のことについては知らない。しかし、読者には謎が解明されるという、通常では逆のことが起きていて面白い。そして、その事に悶々とする主人公の様子。この物語にはほのぼの要素や笑い要素も含まれている。とても馴染みやすい、親しみやすい物語だと感じた。 【物語の見どころ】 構成も舞台も見どころの一つだと思われる。 特に1000年後で土地が一緒というところに意味や繋がり、必然性を持たせているところが、興味深い。そこで1000年前とは別の道を歩き始めるのだ。 だが、その道はある意味険しい。強すぎるのも大変なんだなと思ってしまう。 主人公は学校にて一戦交えることになる。このことがきっかけで、彼女とは友人のようなライバル関係へ。ここからの展開はとても面白い。主人公の前世の時代でのことが段々明かされていく。時代によっておこる相違。隠さなければならないこと、解きたい謎。謎の部分が少しづつ明かされていくのも面白い。話しの中で分かって来る、目の秘密。この物語には、まだかされていない秘密があるのではないかと、ワクワクしてしまう。(P11まで読了) あなたもお手に取られてみませんか? 主人公は転生して二度目の人生を、穏やかに過ごすことは出来るのだろうか?ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7

人と竜とのヒストリア【 Ⅰ 】

魅力的な主人公の抱える想い、そして出会いの先に待ち受けるものとは?

【物語は】 ネコの行動を他視点で追うような感覚で始まる。ネコの後を追っていくと、あるバーテンダーのカッコをした長身の男性に出逢う。二人(一人と一匹)は顔見知りのようで、まるで会話が成立しているかのように、青年がネコに話しかけている。視点の流れがとても自然な為、物語に入りやすい。 その後主人公視点で、話は進んでいくことになる。 【世界観・舞台の魅力】 優しい明かりの灯る街をイメージする始まり方が印象的。主人公はそんな素敵な街でバーテンダーをしており、お客さんとの会話などから人に好かれるタイプの人間なのではないかと感じた。そこに生活する人々の服装などは現代的で、想像しやすい。ここに竜とエルフがどのように関わって来るのか、序盤では想像がつかず意外性を感じた。 ワインや料理について学ぶことが多く、丁寧に描かれている印象が強い。来店客の話は恋愛に関する話。はじめはその話題が出たことを、バーにありがちな話題の展開でリアリティを出そうとしているのだろうかと、勘違いしてしまう。 客である彼女たちの話を聞いているうちに、その話題が物語で重要となるであろう、騎士について語られていることに気づく。 この物語の世界の中で、騎士とはどんな人たちなのか。主人公を取り巻く人々は、一体どんな人たちなのか。言動や話題、見た目など、色んな部分から自然に明かされて行く。とても巧い流れだと感じた。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は時折寂しそうに感じる部分がある。その理由について、作中で明かされていく。 この物語では、一気に登場人物が増えるということが無い。じっくりと、各人物の魅力や性格や容姿、考え方が分かり、そこに新たな登場人物が加わるという流れだ。 主人公は容姿が優れており、他人から憧れを抱かれるような人間ではあるが、悩みもあるように感じる。しかしどんな優れた人間にも、それなりに悩みは付き物。しかし主人公は、現在の彼の様子からは想像できないほど、辛い過去を抱えていたのである。 一章では主に、主人公とマスターの視点で進む。二人の視点から主人公がどんな人物か明かされていく。 バーに通う人たちもそれぞれ魅力的に描かれており、温かい気持ちになったり優しい気持ちになったり、主人公の魅力にドキドキしたりもする。 【物語のみどころ】 この物語では、魅力的な主人公の心情やそこで働く姿、バーに通う人々が魅力的に描かれており、彼らの会話から舞台がどんなところなのか分かってくる。 主人公と周りの人々との繋がりや、関りを丁寧に描いた物語だと感じた。しかし、一章はまだ物語の始まりに過ぎないのでないのだろうか。 恐らくエルフと出逢ってからがターニングポイントととなり、本当のはじまりなのではないだろうか?(第6節三話まで読了) この時点では、まだプロローグの意味は分かっていない。もしかしたら明かされているのかも知れないが、はっきりと明確にこれだと言うことは出来ない。なのでこの先、その謎についても明かされていくのではないかと思われる。 あなたもお手に取られてみませんか? 魅力的な主人公やマスターには、まだ明かされていない何かかがあるように感じます。彼らがこの先どうなっていくのか。主人公はエルフと出逢い、どのような運命をたどるのかをその目で是非、確かめてみてくださいね。 お奨めです。

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crazy's7

《不幸体質》のせいで7回死んだ僕は、神様にチート能力を7個貰ったので、人見知り&コミュ障を治そうとしたら問題だらけで難しすぎた~7回目の転生では劣等人の忌み子として嫌われる~

一見明るく、面白く笑いが多く含まれている物語。しかし、深いメッセージが込められている.

【物語は】 主人公が死ぬところから始まる。最初に授かったのは”転生”というスキル。何故このスキルだったのか、話を読み進めると理由が分かってくる。 まず7回目まで、次々に転生していくというストーリーが面白い。”不幸体質”が生半可な不幸でないトコロに、笑いが起きてしまう物語。7回転生後が、いよいよ主人公の人生となるのだろう。果たして、どんな物語なのだろうか。 【登場人物の魅力】 主人公は運命に振り回されつつも、頑張る男子学生。不幸すぎて笑ってしまう箇所が多い。転移者に選ばれた理由はたまたまだという。この物語の転生などに関して、ルールが面白い。不幸体質であることが活されている物語。 (よく死んでしまうが) 序盤で神様が出てくるのだがこの神様が、いい味を出している。 読者として説明が楽しく聞けるところに驚く。通常なら説明について、そんなにウキウキして読むものでもないと思われるからだ。つまり、とても面白いという事である。 主人公の性格などは、話を読み進めると分かって来る。転生前は普通の少年だったと思われる。しかし自分の不幸体質と向き合い、生きるという事を考えた時、心が大きく成長していく。その為、努力家で思いやりのある優しい人物という印象に変わる。 些細な日常の出来事が、意外と些細ではないことに気づかされる。この物語を通して感じるのは、日本の住みやすさや安全について。 事故や事件を毎日ニュースで観ることもあるので、完全に安全とは言い難いが。少なくとも法律などがちゃんとしていなかったり、教育が行き届いていないところよりは安全であると感じる。そういう事について、物語を通し主人公が”この世界に慣れて行かなければ”という心情から、改めて認識する。 主人公の心情がとても面白く、悩む、思考する、結論という流れで、はじめは大変だなと思いながら読み進めていくのだが、大抵オチに笑ってしまう。序盤は明るい物語だと感じた。 【世界観・舞台の魅力】 7回目に転生するまでも、森やダンジョンに突然飛ばされるということがあったようだ。7回目については、”今回も”森から始まるという流れではじまる。 転生物語にもいろいろあるが、赤子から始まるタイプと、途中から始まるタイプがあるのだという事に気づかされた。この物語は15歳という年齢から始まっていく。 (飛ばされた先では、15で成人のようだ) とにかく面白いと感じてしまう部分が多い。チートスキルを7つ所持し、それを上回る不幸体質な少年。7回目にようやく生きていけそうな流れだが(それまではあっという間に死んでしまう)、この物語では怪我をしたら”痛い”と感じることにスポットを充てている。いくら自動回復がついていても痛いのだ。痛いと感じることを笑いに変えられるというのは、珍しい。 戦い方も斬新。チートスキルを発動させながら戦っていくのだが、如何せん初めは発動のタイミングが分からないという状態。主人公は最初の森で、イヤな汗をかきつつも勝利する。その流れが面白い。この場面を通し、戦い方などの基礎や世界観を明かしているのではないかと感じた。 三話の冒頭では、爆笑間違いなし。 不幸体質と、チートスキルのバランスが良く、とても面白い物語である。7個もあるチートスキルを上手い具合に組み合わせ、意外な展開を見せる。チートだが万能ではなく、弱いというところも魅力だ。その上、主人公の心理がとても素直で、分かりやすい。ただ、この物語は面白いだけではない。 構成がとても巧く、感情の高低差を出すことで笑いや悲しみなどが最大限伝わってくる。読者の感情を揺さぶる物語である。 【物語のみどころ】 主人公の心の中のツッコミに、度々笑ってしまう作品。真面目さと笑いのバランスがとても巧い。面白すぎてスルスル読めてしまう物語でもある。 度々出てくる神様が、緩いのか大雑把なのか和ませてくれるところも魅力だ。 読み進めていくうちに、段々と設定や世界観、舞台について分かってくるので、無理なくついていけるところも魅力的。 その上、転生した先でお世話になっている村には、何か謎があるらしい。 主人公はチートスキルを手に入れて、ただ楽しているような人物ではない。思い遣りがあり、自分の為すべきことを自分で考えていく。その為、成長を感じられる物語でもある。現在18話まで読了。 全体的に明るい物語ではあるが、それだけではない。人との繋がりや絆を感じることが出来る。その中で、もちろん常に幸せとは限らないという事だ。 チートスキルが7個もある意味は、読んでいくうちに理解する。どんなに優れた能力を持っていても、使わなければ意味はない。それは宝の持ち腐れというもの。もし一度でも、”出来たのにやらなかった”という後悔をしたことがある人なら、主人公の気持ちが痛いほど分かるだろう。 あなたもお手に取られてみませんか? 一見明るく、面白く笑いが多く含まれている物語。しかし、深いメッセージが込められていると感じました。主人公が後悔をし、それを乗り越えたとき、更に人として成長を遂げていく。 彼のその先の人生を是非その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

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crazy's7

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