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カクヨム歴史・時代連載:23話完結

【改訂版】乙女の海上護衛戦記

【物語は】 ある一隻の『帝国』海軍所属の潜水艦が、撃沈されるまでの経緯から始まっていく。前日譚では、王国海軍側の視点で物語は進んでいくようだ。バスで首都に降り立った二人。どうやら彼らに出頭命令があったらしく、その理由について憶測している。何故ならば、”いち士官の人事手続きに際して、首都まで来るように命じるのは珍しい”ことだったから。ここで、首都の様子について語られている。会話の内容などから、戦時中であることが伺える。 (””内は引用である) 【補足:個人的に分からなくて調べた用語】 哨戒(しょうかい) 敵襲に対して見張りをして警戒すること。 緒戦(しょせん) 戦争が始まったばかりのころの戦闘。 【舞台・物語の魅力】 本編に入り物語を追っていくと、主人公が首都に呼ばれた本当の理由が明かされていく。タグを見ると架空戦記とある。ことから架空の物語なのだと推測できるが、リアルさを感じる為、現実なのか架空なのか判断しづらい。それほどまでに詳しく調べ、作品にその事が活かされていると感じた。 参考資料については、あらすじの部分に記載されている。 女性採用までの経緯について。 二人の会話から、色んな背景が見えてくる。話しの流れなどが巧く、とても論理的で理解しやすい。この物語は疑問を残さないように、丁寧に描かれていると感じた。 【彼女たちの覚悟】 指揮官の覚悟。戦争というのは人と人の殺し合いである。女性であっても戦場に出れば、負傷する可能性もあるし死に至るケースもある。無傷である保証は何処にもないのだ。そして、この戦艦に乗っている指揮官は女性。共にここまで歩んできた部下たちが、これから危険な目に合うかも知れない。そう考えた時、きっと迷いが招じるに違いない。 だが戦場では、そんな甘えた考え方は許されないのである。 そして志願した以上、そうなることも考慮しているはずなのだ。 戦争は多くの犠牲を払うものであり、得るものはないように感じた。 【この物語は何故、女性の運用する駆逐艦にスポットをあてているのか?】 この物語は、単なる戦時中の一コマではない。 何故女性の運用する駆逐艦が舞台であり、そこにスポットを当てたのか? ここが一番重要だと思われる。 女性が戦争に駆り出される理由については、誰しもなんとなく想像がつくのではないだろうか? そう、人手不足である。しかしこの物語で描かれているように、”以前から女性が戦争に駆り出されることは珍しくはなかった”とある。 つまり駆り出されるそのものではなく、”特殊な条件で集められた者”(引用)というところが重要なのではないだろうか? 【特殊な条件とは】 (ソナーに感あり   同日 一二二四時)まで読了。 この物語で一番気になったのは、特殊な条件が何を指しているのか? と、言うことである。 **この点について作者様から補足の解説をいただきました。 ”以前から女性が戦争に駆り出されることは珍しくはなかった” ★引用許可をいただいております。 ────文面引用 作中における女性の軍務はあくまで後方勤務にかぎられております。これは史実の二次大戦における、(ソ連を除いた)連合国側での様子を参考にした描写です。女性たちに軍が与える仕事は、補給関係や技術職といったあくまで補助的な業務でした。前線へおもむき、銃を手に取って戦うことは原則として認められておりません。だからこそ第101戦隊を編制するさいに、『特殊な条件を付与』して将兵を募ったと作中で言及しているわけです。(また史実をみてみると……すくなくとも20世紀前後の価値観では、こういった形でも女性が軍にくわわる事は異例とみられた節があります。たとえば作中でわずかに触れた、軍に勤務する女性にたいする偏見じみたゴシップ記事は資料でみたものを参考にしました) ────上記の補足をいただく以前の自分の解釈 指定の職業を集めたのではないかと推測した。 しかしここ(ソナーに感あり   同日 一二二四時)まで拝読して感じたのは、女性であることそのものが特殊な条件なのではないかということ。 いただいた解説により、女性が全戦に出ること自体が”異例”であったことを知りました。これが特殊なこととと感じなかったのは、自分が歴史をよく知らないことに加え、女性が戦うことを当たり前に感じていたからではないかと。ゲームや映画などのイメージから、その考えに至らなかったのだと思われる。 つまりこの物語では、もし女性のみで運用される駆逐艦があったなら。というIFの世界を描いているのだと感じた。 作中には女性であるが故の難点と、良い点が描かれている。ある一点においては、一概にこうとは言えない部分もあるが、女性ならではの気遣いや人間関係が、描かれているのではないだろうか? と感じた。 【物語の見どころ】 臨場感があり、ハラハラドキドキする物語である。全体的に丁寧に描かれているところは見どころの一つ。 そしてこの作品からは、いろんなことを考えさせられた。 人は意志の疎通ができるにも関わらず、思想や宗教の違いにより簡単に殺し合う生き物である。戦争は自分たちに害が及ぶ恐怖から、逃れるために始まるものではないのだろうか? と感じた。共存し合う道もあるにもかかわらず、人間は不安や恐怖からは逃れられないのだ。 そうやって男手の減った国で、彼女たちは何を想い志願兵となったのだろうか? 自分を守るため、家族を守るため、国を守るため。あるいは、愛する人を奪われた復讐かも知れない。しかし一度兵となってなったなら甘ったれたことを言いうことはできないし、生半可な気持ちで務まるものでもない。 彼女たちは、男性には劣るものの一人一人が誇りを持ち、任務にあたっている印象である。確かに、男性のみの艦とは雰囲気が違うように思う。 (乗ったことはないので、はっきりとは言えないが) 果たして彼女たちは、どのようにして道を切り開いていくのだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 女性だからこその戦い方が一番の見どころだと感じました。 彼女たちの行く先を、その目で是非確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2019/4/10
  • 投稿日:2021/8/8
アルファポリスファンタジー連載:56話

【完】海賊、異世界で旅を続ける

【物語は】  海賊である主人公が宴の日、ベッドごと何処かへ転送されるところから始まっていく。そして目を覚ました彼は、唐突に異世界へ送る”と言われるのだ。  彼が評価されているのはその”探求心の高さ”。  しかし、主人公にとってはそれは”人間として当たり前”のことであった。  だが、”世の中には何にも興味を示さない人間もいる”。彼はそういった人々のいる世界へ行き、彼らを救えと言われるのであった。   【自分で道を切り開いていく物語】  転生ものや女神などを仲介とした転移ものには、特別なスキルを授かったり、チートなどが多く存在するが、この物語で女神から授けられるのは”指輪とコミュニケーション能力”のみ。  これは例えるなら、全くその土地や国の文化などを知らない海外へ”語学のみ”で飛び込むようなものである。もちろん、地理さえ分からないしどんな食べ物があるのか? 身分などの制度があるのか? 地理はどうなのか? すらわからない場所へである。  ここでのコミュニケーション能力は”言葉が通じる”程度であり、性格が変わるというような方向性ではない。しかしながら彼は内気な性格と言うわけではないので、その辺も問題はないようだ。  この物語を読んでいると、意志の疎通が出来ることがどれだけ窮地を救うものであるのかということに気づかされる。 【主人公の人となりや魅力】  ほとんど身一つ状態で知らない土地に飛ばされた主人公であるが、言葉が通じることにより機転を利かせ、窮地を乗り切っていく。  とても頭の回転の速い人物であり、何か起きた時には論理的に考え理解していく。  戦闘能力も高く、身軽で冷静。その体型から弱そうと勘違いされることが多数あり。だからこそ戦いのシーンはハラハラドキドキしてしまう。  まだ全てを理解しているわけではないが、探求心だけではなく遊び心もあるのではないかと感じている。 【物語の見どころ】  主人公は、異世界に行くまで殺人や強奪は当たり前のことだった。それでしか生計を立てられなかったのかもしれないし、それが性に合っていたのかもしれない。  だが、殺人も強奪も決して良いことではない。その罪の償いも含め、女神から異世界へ転移させられることとなった。  その中で、今まで自分とは無縁だったような善良な人々に出逢い、簡単に自分を信じてしまう彼らを心配さえするようになるのだ。  変えるためにこの世界へ飛ばされたが、彼自身も変わっていくのである。  そしてもう一つ、あらすじにある”旅をする中で異世界に呼ばれたわけ”。これを彼が知った時、物語は大きく動くのではないかと思う。  元海賊で極悪非道なことをしていた主人公は、異世界の彼らにどのような影響を及ぼすのか? そしてこの物語の結末はいかに?!  あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?  お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2022/12/14
  • 投稿日:2022/7/24
カクヨムファンタジー連載:71話完結

炎のトワイライト・アイ〜二つの人格を持つ少年〜

【読む前に感じたこと】  一番気になるのは”制限時間内”とはどんな意味合いなのか? ということ。  吸血鬼としてのもう一つの顔があるということは、時折吸血鬼に変化し完全にそっち側になってしまう前に、血が必要なのだろうか?  わがものにするとはどういうことなのか?  この辺がとても気になるところである。 【物語は】  主人公の少女が嫌にリアルな夢を見て、起床時間が登校ぎりぎりになってしまうところから始まっていく。  その後登校途中で具合の悪うそうな同学校の生徒を助け、時間ぎりぎりとなり、教室では友人に揶揄われるなど踏んだり蹴ったり。  しかしそんな彼女の日常から、近頃話題になっているという”吸血鬼事件”の話題へと。果たしてそれは一体どんな事件なのだろうか? 【吸血鬼事件について】  この物語の中では、ある一つの不可解な事件が起きていた。  それは男女問わず、血を抜かれるという謎の事件。殺人事件と断定されていることから、何者かが行っていると考えられる。  首に二つの穴が痕跡として残されていることから、吸血鬼事件と呼ばれているようだ。果たしてこの事件の犯人は? 【登場人物について】  転校生がやってきてから主人公の日常が変わっていく。  登校途中で助けた男子生徒は、なんと主人公のクラスへの転校生だった。  彼は身体が弱いのか持病持ちなのか、体育に参加することはできない。それを不憫に思っていた主人公だったのだが。  どうやら彼はドジっ子というものらしく、そのハプニングに主人公が巻き込まれる確率が高いようで、それがだんだん日常と化していた。    主人公と特に仲の良い友人は、情報通。その理由は作中にて明かされている。  転校生のハプニングに巻き込まれ、お似合いなどと言われてしまう主人公ではあったが一学年上に想い人がいるようで、その経緯なども語られていく。 【物語について】  想い人である先輩とやっとまともに話すことが出来た日、二人は吸血鬼事件に巻き込まれてしまう。主人公は間一髪で”ルフス”と名乗る不思議な男子学生に助けられるのだ。    事件の恐怖、大切な人を失ってしまった喪失感から学校を休んでいた主人公。そんな彼女を心配しお見舞いに来てくれたのは、仲の良い友人と転校生であった。  想いを吐き出したのち、主人公とその友人は転校生から彼の身に起きていることを聞かされる。それはにわかには信じがたい内容ではあったが、彼に残された時間はわずか。二人は彼に協力を申し出るのであった。 【物語の見どころ】  主人公が吸血鬼事件に巻き込まれ、転校生のもう一つの人格に助けられるところがターニングポイントとなるのだと思う。  この後、二人は友人と同じ新聞部へと入部することになり、彼のへ協力者が増えていく。  この作品はライトノベルなので、彼が吸血鬼であることに関して”偏見”を持つような流れはない。真っすぐに解決へ向けて皆が一丸となって協力していくような物語である。  主人公の想い人については、たくさん出番があるわけではないもののキーパーソンとなっているように感じた。彼の存在があったからこそ、物語は動き出したと言っても過言ではない重要人物。  他に見どころの一つとして外せないのは、二つの人格を持つ転校生であろう。彼は人格によって性格が変わる。真逆に近いその立ち居振る舞いが読者を惹きつける要素の一つだと思われる。  だが、彼が救われるということは、その人格を一つ失うということでもある。  あなたもお手に取られてみませんか? この物語の結末をその目でぜひ確かめてみてくださいね。お奨めです。 *備考10章まで拝読(P10かな)

5.0
  • 作品更新日:2024/3/28
  • 投稿日:2022/8/14
カクヨムファンタジー非公開

阿吽の夜叉

【物語は】 ある工夫を凝らした一場面から始まっていく。この場面で語られる夜叉は、酒呑童子しゅてんどうじ。名前だけなら聞いたことがあるという人も多いと思われる。酒呑童子は、丹波国の大江山、または山城国京都と丹波国の国境にある大枝(老の坂)に住んでいたと伝わる鬼の頭領。(ウィキ調べ) その後、プロローグに入りガラリと雰囲気が変わる。 ここは喫茶店だろうか? 食事の出来るある店に、ある男がやって来る。そこでこの土地のことが明かされていくのだが、何やらこの土地には秘密があるようで? 【登場人物たち】 この物語は、プロローグと本編では視点が違う。プロローグはプロローグに過ぎないという事だ。本編に入ると、あらすじに出てくる少女の視点となり、物語は進んでいく。 この主人公はあまり女の子という感じがしない。(イメージでの)とても落ち着いていて、自分をしっかりと思っている印象である。それは、ある美形の双子の転校生たちに、ほぼ反応を示さないという点からも、言えるのではないだろうか。つまりは、容姿できゃあきゃあ言うようなタイプの高校生ではないという事だ。 あまり詳細を書いてしまうとネタバレになってしまうが、この出会いは面白い展開となっていく。 【世界観・舞台・物語の魅力】 舞台は現代であり、妖と鬼もいる世界観。とても面白い世界観だと思う。 作者の手腕に驚かされる。ここもあまり詳しくは言えないが、想像通りに行かない。良い意味で予想を裏切る展開となるのだ。 次々と巻き起こる想定外の出来事に、読み手も驚きの連続である。あらすじにかなり詳しく書かれていると感じるが、巧いことぼかしてあるようにも思えた。 そして全体に構成がとても巧いと感じた。ちゃんと情報が提供されているにも関わらず、それらが繋がらないのだ。もしかしたら深く考える人は、伏線なり、糸を見つけてしまうのかも知れないが。 主人公がある戦いにて、ピンチになるところから少しづつ風向きは変わっていく。そこから明かされていく鬼や妖のこと。彼らの違いなど。そしてその中で、主人公の境遇なども詳しく分かって来るのである。かなり作り込まれた世界観だが、とても分かりやすい。いろんなことが繋がっていくと、必然性で作られた登場人物の構成に驚く。 【物語の見どころ】 繋がっていく過程がとても面白い作品。通常、世界観というのはそんなに面白い部分ではないはずだ。しかしこの物語は少し風変わりな印象を受ける。つまり、舞台や世界観が明かされていく過程に、とても面白味を感じる作品なのである。それは説明文や会話、心情などで分かって来るのだが、ミステリーの種明かしのような面白さがある。 ”え?そうだったの⁈”の連続。そこに至るまでにモチーフやワードはあるのだが、なかなか繋がることはない。なので、見えているものが見えていないという、怪奇現象を起こす。 そんな中、段々と明かされていく真実。主人公は望まずして巻き込まれていくことになる。今後の展開がとても気になる物語だ。 あなたもお手に取られてみませんか? 主人公は果たして、この後どんな生き方を選ぶのか?物語は何処へ向かうのか?その目で、ぜひ確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2021/7/27
  • 投稿日:2021/8/8
エブリスタその他連載:11話完結

Crush Out

【物語は】 ある人物の視点から始まっていく。自分をアーティストと呼ぶその人物。内容がなんだか不穏である。何が始まるのだろうか? と思いながら先に進めると、事件現場へと場面が切り替わる。異常とも感じる遺体の状況、主人公は警察関係者のようだが、この事件と一体どう向き合っていくのだろうか? 【事件】 初めに出てくる事件は、どうやら同一犯による3件目の事件のようだ。その事件の様子や、それまでの事件が回想により明かされていく。現場の様子から、かなり猟奇的な事件のようだが”誰がなんのために行っているのか”この段階では分っていない。謎の深まる事件だ。 【登場人物】 この物語に大きく関係している人物は二人。どちらも女性である。一人は少し面白い経歴を持つ女性。しかしながら、珍しいとは言えないかも知れない。この女性が変わっているのは、少しマニアックな作品に出演しているということ。あまりパッとはしない現状だが、自分の道に向かって健気に頑張っているという印象である。 もう一人は、警察関係者の女性。この事件への糸口が見つからず、焦りとも絶望ともとれる状態である。二人がどのように関わっていくのか? また、間接的な関りで終わってしまうのか、この時点ではわからない。(P12までの時点) 【事件の展開】 この物語の面白いところは、仮に疑いがあっても確たる根拠がなければ、警察は動けないというところにある。犯人がそれを利用することによって、事件は難航しているように思えた。繋がりがある証拠を掴まない限り、踏み込むことが出来ないということである。 そしていよいよ4件目の事件が起きてしまう。 【見どころ】 この物語は犯人VS警察ではあるが、決して正義が勝つという単純なものではない。そしてシリーズ一作目ということから、序章に過ぎないのではないか? という考え方もできる。 犯人側の心理、刑事側の心理。それは事件を解決するための思考というよりも、恐怖に対峙した時の人間の心理状態というのが分かりやすく描かれている。かなり異色な作品なのではないだろうか? この作品は、短編の為多くを語ることはできないが(ネタバレになってしまう為)、とても興味深い作品だと感じた。残虐要素が苦手でなければ、お奨めしたい作品である。 あなたもお手に取られてみませんか? この事件の全容とその結末を、ぜひその目で確かめてみてくださいね。

5.0
  • 作品更新日:2019/4/4
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨムファンタジー連載:31話完結

時空の旅人~Memory~

【前回の事件の簡単な説明】 物語の舞台は1889年の霧の国。 主人公のアーサーは、懐中時計を使って過去や未来を行き来することの出来る「時の民」と呼ばれる16歳の少年である。 主人公は迷いの森でオオカミに襲われそうなところを助けてくれた人物を兄ように慕っていた。その彼が誘拐されたことにより始まっていく。主人公は彼をどうしても助けたかった。しかしその為の手掛かりは少ない。手がかりを探すため、主人公はある場所へ向かうことととなる。その道中でストーンの欠片を持つ占い師に出逢う。 ストーンは特別な能力を持ち、持っているものによりその能力は異なる。主人公はこの事件を追う中で、事件の黒幕が今から百年以上前に活躍した錬金術師、フォンテッド卿であることを突き止めるのであった。 「ルーチェ」とはギルド名 補足【前作からの主要な登場人物】 主人公:アーサー 主人公が兄のように慕っている風の国の王子:フランシス 風の国の王女:マリア 風の国の王子たちに遣える:リン・ユー 主人公が前回の旅で出逢ったタロット占い師:シャルロット 【簡単なあらすじ】 ジャンル:異世界ファンタジー 恐らく1890年の霧の国で懐中時計を使って過去や未来を行き来することの出来る「時の民」と呼ばれる少年が17歳の誕生日を迎えた。彼は誕生日に来てくれた兄のように慕う相手と、ある人物の元へ訪れる。するとそこで前回の事件が発端となり時空に歪みが生じてしまったことを知る。時空間の乱れを修復するために主人公は再び旅立つのだった。 【物語の始まりは】 ある人物が夢を見て起き上がるところから始まる。 その後本編へ。主人公は懐中時計を使って過去や未来を行き来することの出来る「時の民」である。主人公の17歳の誕生日、彼はある人物を待ちわびていた。それは前回の物語にも登場した、兄のように慕っている相手、フランシスであった。17歳はどうやら主人公にとって特別な年齢らしい。今度の旅ではどんなことが起こるのであろうか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 「時の民」という懐中時計を使って過去や未来を行き来することの出来る一族の存在する世界。ヨーロッパの某国を思い起こさせる舞台である。 霧の国と言えば、あの国が思い起こされるので、モデルとなっているのだろうと思う。他には風の国、火の国、水の国などが存在する。 【主人公と登場人物について】 17歳になった時の民である主人公は新たな力を手に入れるが、フランシスは逆に力を悪用されない為に力を返すのこととなる。しかし、二人は共に旅立つこととなる。冒頭の人物は前作にも登場した人物。前回は彼の詳しい身の上について語られることはなかったが、今回の中心人物は彼のようである。彼は意外な経歴の持ち主であり、今回のカギを握る人物でもあったのだ。 【物語について】 前回の事件”フランシスの懐中時計を使って歴史を変えた”ことがもとで”時空間に歪みが生じてしまった”ことが今回の旅の発端となる。主人公たちは時空間の乱れを直すために旅立つのだ。前回の事件やそこで出会った人物については簡易にしか説明されていないため、詳しく知るためには前作を読む必要があるかもしれない。今回の旅で事件解決のために旅立つのは、主人公と風の国の王子たちに遣えるリン・ユー。そして旅の途中で出逢った、タロット占い師の シャルロット。果たして彼らは無事に時空の歪みを修復することはできるのだろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・前回の物語を活かしている。 ・歴史を改変するには、当然通らなくてはならない道がある。変えられたからこその未来も当然そこにはある。良い選択だけがある物語ではない。 ・前作で謎のまま終わっていた部分をメインに持ってきたところが面白い。 ・一つの物語があり、それに被せるように新しいルートが起こるスタイルというのは興味深い。(玉についてなど) ・単なる続きではなく、前作を掘り下げたような形になっているのも良いと思う。 ・歪みを直すことで未来がどう変わるのか? ハラハラする物語でもある。 【備考(補足)】事件前夜までの拝読 【見どころ】 やはり前作を知っている方が楽しめる物語であると感じる。時空の歪を直す旅には3人で行くことになるのだが、それぞれに役割がある印象。この物語では、前作では分らなかったことも明かされていく。その中には、主人公が気づいていなかった時計についてのことも含まれる。分からなかったことが明かされて、なるほどとなる部分が一番の見どころであると感じた。 旅の中で、時空の歪を直すためには究極の選択もしなければならないことも明かされていく。彼らは果たしてどんな選択をするのだろうか?  是非あなたの目で、この物語の結末を確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2020/11/1
  • 投稿日:2021/10/25
小説家になろうファンタジー連載:79話

人類の中“では”最強の軍人、異世界を調査する

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ハイファンタジー 決断の末、パーティーから抜けた主人公は異世界から転移した軍人。お金を稼ぐために受けた依頼先で、道に迷っていた少女に出逢う。一度は行き先を教え別れた二人だったが、何故か数日後再び道に迷っていた彼女と再会する。そして少女の事情を知った主人公は彼女に過去の自分を重ね、面倒を見ることにしたのだが……! 【物語の始まりは】 主人公が性格の不一致という理由で、パーティーから抜けることを宣言するところから始まっていく。抜けたのは良いが、主人公は一文無し。その為ギルドへ向かい、依頼を受けることに。 どうやら主人公は異世界から来たらしい。一か月間、文無しでも生活の出来たという経験を持つ、サバイバル精神を兼ね備えた人物。 なんだか面白いことになりそうな予感?! 【舞台や世界観、方向性】 ・パラミリタリーとはなにか? 準軍事組織 - 国境警備隊、沿岸警備隊、国家憲兵など、軍隊と警察との中間的な組織。民兵 などを指したりもする様だ。(web調べ) ・異世界転移者である主人公の物語。 ・魔法なども存在する世界が舞台となる。 ・かなりシビア。主人公は強いが、だからと言って稼ぎまくっているわけではなく、サバイバルが日常のようである。 ・他の住民はこのようなことはなさそうではあるが、主人公は食べられる魔物を狩って食べ、生計を立てていることも?! 【主人公と登場人物について】 主人公は一か月前に異世界転移した男。あるパーティに所属していたが真面目な性格が嫌われ、性格の不一致という理由から、そのパーティを抜ける。 お金がなくても何とか食べていけるらしく、食えるモンスターを知っているところも凄い。モンスターを食べてみようと思う人は、あまりいないと思われるからである。誤って毒の含まれるモンスターを食べ、死にかけた経験はあるが現在も生きている。 主人公には壮絶な過去があり、それを乗り越えたからこそ今があるように思う。 【物語について】 主人公の性格や口調によるものなのか、説明部分が面白い物語。食料調達の流れは真面目な解説なのだが、何故か笑ってしまう。 パーティを抜けた主人公はお金がなかったため、早速ギルドへ向かい少し難しいとされる依頼を受ける。その後、食料として魔物を狩っていたところ、ある少女と出逢う。主人公の狩っていた魔物が近くにいたため、逃げたくても逃げられなかったらしい。ギルドまでの道は遠く、彼女の軽装備に不安になる主人公。不本意ながら彼女の面倒を見ることに。 それから二日後、あのまままっすぐ歩けば目的地に着くはずの彼女と何故か再会する。どうやら道に迷った様だ。彼女は天然なのだろうか?  真面目な主人公と天然な彼女のやり取りに笑ってしまう 。果たして、二人はこの後どうなっていくのだろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・真面目だが面白い。 ・ロマンス要素がないところが逆に面白さを助長させている。(六から七話部分より) ・主人公がカッコ良すぎる! (理想的なクールさ) ・心理描写が絶妙。温かみよりも任務先行。淡々としているような流れなのに、面白すぎる。主人公に惚れそうである(笑) ・コメディのような面白さがある。(アメリカンコメディを見ているような面白さがある) ・面白いだけではなく、シリアスな部分もあり考えさせられることも多い。 ・ただ強くなっていくだけではなく、謎な部分もあり(恐らくこれからの伏線)何が起こるのか? という興味を誘う。 ・主人公の過去について明かされている部分があるが、彼の人生を感じる。(登場人物に厚み、奥行きを感じる) 【備考(補足)】第17話まで拝読 【見どころ】 性格の不一致でパーティを抜けた主人公が出逢ったのは、パティーに役立たずとして置いて行かれた少女だった。彼女は直ぐに道に迷ってしまうし、前衛ではあるがまともに戦うこともできない。しかし主人公は彼女とパーティを組む。そして彼は彼女が以前の自分と被るから放っておけないのだと気づく。 主人公と彼女の違いは、自分には心の支えである上官や仲間がいたこと。彼は自分が彼女にとってその役割を果たそうとするのだった。 道に迷っていた少女と出逢い一緒にパーティを組むことになるまでは、笑いの多く含まれる物語であるが、彼女が何故一人で迷子になっていたのか? 彼女のパーティーのメンバーがどんな人物だったのか明かされていくと、胸にジーンと来るものがある。全体に主人公の心理が手に取るように分かる物語なので、その時の彼の想いには感動を覚える。ただ任務の為に猛進していくわけではなく、真の温かさや人間らしさを持った人物、それがこの物語の主人公である。彼の言動は読者だけではなく、周りの人の心も動かしていく。笑いだけではなく、感動も呼ぶ物語だと感じた。少女とともに主人公が成長していくところも見どころと言える。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この先主人公たちがどんな危険を潜り抜けていくのか。その目で是非確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2023/3/12
  • 投稿日:2021/11/20
カクヨムファンタジー連載:57話

結界魔術師ロイスの憂鬱〜パーティから追放された俺。一人で生きていきたいのに、魔王と勇者に追われ、謎の美少女に振り回されています〜「指名手配されてるよ」「嘘だろ」

【物語は】 主人公と思われる、ある魔術師が少女から取引きを持ちかけられるところから始まっていく。冒頭の主人公の心情から考えると、不本意な結果になってしまい困っていると感じた。そして、この状況に至ったまでの経緯に想いを巡らせるのであった。一体、彼に何があったというのだろうか? 【彼らの印象】 確かに勇者と主人公は仲が悪く、一見相性が悪いように見えるが、いい方が刺々しいのであって、互いに相手のことを想いやっているように感じた。勇者は、素直過ぎる単純な性格なのではないだろうか? すなわち、相手の意図を理解することのできないタイプの人間。いうことを全く聞いていないように見えるが、そうではないのでは? と感じた。しかし、タイトルから想像すると、この二人はどうあっても並行線なのだろうと思う。 その後、タイトルの通りパーティを追放されてしまう。この時の彼は、自尊心が傷ついているように見えた。心の何処かで、彼らに必要とされていると思っていたに違いない。自分の中の葛藤と戦いながら、彼は何とか気持ちを切り替える。そして、本来の目的へと方向転換するのである。 ここからが本当の始まりなのかもしれない。 とても面白い作品であると感じた。 【世界観・舞台の魅力】 オリジナル設定の部分が特に面白いなと感じた。 主人公は、はじめの方こそ優秀さよりも性格や個性が際立つ。しかし勇者と別れた後は、単独行動する機会がある。それは彼の能力について分かりやすい場面でもある。物語を読み進めていくと、主人公はかなり優秀な人物であることも分かってくる。 この世界では、魔法の原理が明かされておらず、呪文だけが伝えられているという設定。その中で主人公は独自に研究をし、オリジナルの魔法が使えたりする。それは、魔法の応用ということらしいが、内容が変わっている。 しかし、論理的な部分が非常に面白いのだ。 この物語は、一人称でありモノローグで進んでいく。主人公の心理が手に取るように分かるところや、戦闘描写が非常にカッコいいところも魅力である。 【新たな出会い】 主人公は、勇者のパーティから追い出されたのち、ある少女と出逢うことになる。こちらも一見相性が悪いようにも見えるのだが、似た部分を持っている為、上手くいくのではないか? と思ってしまう。タイトルには振り回されるとあるので、何か事情があって逃れられない運命とも受け取れるが、それは少し物語が先に進むと見えてくる。 【物語の見どころ】 あらすじにもある通り”これは結界術のスペシャリストと魔王の娘の逃亡劇。そして紡がれる秘密と信頼と友情の物語。”主人公が、魔王の娘と信頼や友情を築いていく部分が一番の見どころだと思う。 主人公は、確かに人との接し方は上手くはなかったが、それなりに自分は任務がこなせると思っていたはずだ。しかし、勇者と言い争いになりパーティを追い出される。元々別な目的があったとしても、やはり心の何処かでショックを受けたのではないかと、感じた。 そんな彼は単独行動が性に合っていると思っている。人づきあいは決して得意そうではない。しかし、お人よしではあるのだ。誤解を受けやすくても、今まで庇ってくれる人はいなかったのではないだろうか? そんな中、魔族の少女と出逢う。初めは世間知らず(これは環境が違うので当たり前だが)の彼女に振り回され、面倒だと感じることもあるだろう。しかし、彼女と行動を共にするうちに、別の想いが産まれていくのではないだろうか? そして、いつしか友情や絆が芽生えるのではないかと想像する。 あなたもお手に取られてみませんか? 彼らがどのようにして、友情や絆を築いて行くのか、是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/6/4
  • 投稿日:2021/8/8
ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:65話

君に捧ぐレクイエム

【簡単なあらすじ】 ジャンル:現代その他ファンタジー ある事件を先輩と調べるところから展開されていく。 調査の最中、良く見知った場所へ行くと違和感が。恐怖を感じながらもその場所を調べている時に、主人公は意識を失ってしまう。次に目が覚めた時、そこにいたのはある少女だった。そして彼女から知らされるこの世界のこととは……? 【物語の始まりは】 主人公が本を借りようとするところから始まっていく。恰好のせいで注目を集めてしまった彼は、不覚にも本を無断で持ち帰ってしまう。しかしその本はとても不思議な本で、一ページ目しか見ることができない。仕方なく諦めて眠りについたのだが、翌日事件が起こっていたのである。同僚が行方不明となり、日常は非日常へと。一体彼は何処へ行ってしまったのだろうか? 【舞台や世界観、方向性】 ミステリー要素を含む物語だと感じる。 十年前に戦争があったようで、その時日本に手を貸してくれた国があった。しかしその国は謎に包まれており、不可解な条約を日本を含めた他国と行っているようだ。 かなり近代化の進んだ社会が舞台である。 【主人公と登場人物について】 主人公は建設会社で働く社員。まだ二十歳未満ではあるが法律上は成人である。(法律改正後が舞台) とても仲の良い面倒見のいい先輩がいるようだ。彼とはこの事件の謎について一緒に調べることになりそうである。 【物語について】 同僚の失踪事件から始まっていく。どうやらただの失踪ではない様だ。一体どんな謎が隠されているのだろうか? 主人公は謎の本を持って帰ってしまった翌日、優雅な朝を満喫しようとしたところで嫌な予感がし、スマホの履歴を確認する。すると本日は30分前に集合とメッセージが。優雅な朝を諦め、出勤してみるといつもと違う様子であった。なんと、主人公の同僚が行方知れずになっているというのだ。 この事件(?)には不可解な点が多い。何故一般人の自分たちに情報を開示するのだろうか? その疑問から彼らは事件を自分たちで調査し始めるのだった。 【良い点 (箇条書き)】 ・ジャンルは現代ファンタジーながら、ミステリーのような謎とスリルが味わえる。 ・舞台設定がしっかりなされており、臨場感がある。 ・構成が良く、ファンタジー部分と近代的(SFに感じる部分)な部分との融合とバランスが良く違和感がない。 ・ストーリーそのものが面白い。 ・序章が一作分くらいあるが、謎の明かされていく過程とタイトルへの繋がりが鮮やか。 ・意外性がある。 ・ファンタジー部分において、オリジナリティが持たされている。 【備考 (補足)】第21話まで拝読 【見どころ】 序章で明かされていくのは、”君に捧ぐレクイエム ”タイトルの意味である。序章という括りならばかなり長いと感じるが”序章編”としてならば、かなり読み応えがあり、面白いと思われる。 この序章で明かされていくのは、世界観と序章での事件であるが”全て”が解決しているわけではなく、冒頭の事件の人物が誰なのかはまだ分かっていない。特に面白いのは、主人公と同じように読者が、勘違いをしていく点だと思われる。伏線はあるが、この物語を”ミステリー”として読んでいない限り、気づかないのではないだろうか? とても巧く書かれていると感じた。 ミステリーのような始まりではあるが、ここからが本題であり主人公のターニングポイントでもある。果たして彼は狂った世界を壊すことができるのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先を是非、その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2023/11/7
  • 投稿日:2021/11/20
小説家になろう歴史・時代完結非公開

大正石華戀奇譚 <桜の章>

【簡単なあらすじ】 ジャンル:時代小説 舞台は、大正。 主人公は『不幸の菫子様』と呼ばれていた。家族や使用人から疎まれ屋敷内で孤立していた、珂祥伯爵家の長女でありながら。しかし噂を物ともせず、彼女に求婚してくれるものがいた。それは彼女に差した一筋の光であり、望めなった幸せを得るチャンスでもあった。だがその求婚者との婚約パーティで事件が起こる。その事により主人公は命の危機に晒さ、それを救ったのがあやかしだったのだ。果たして彼と主人公との繋がりとは──? 【物語の始まりは】 ある一場面から始まっていく。これにはどんな意味があるのだろうか?それとも彼女の夢なのだろうか? 主人公は伯爵家の長女であり通常ならば、家柄などから幸せな家庭なはずが、”不幸の董子さま”と呼ばれていた。 彼女に関わる者が偶然にも不幸に見舞われるのである。初めは偶然で済まされていたことも、度重なると必然となる。たとえそれが根拠のあるものだと証明されなかったとしても。 まもなくして彼女は”不幸の董子さま”と噂されることとなる。その噂は簡単に広まっていったのだろう。生涯独り身でいることを覚悟しなければならないほど、彼女に近づく者はいなくなったのである。だがそれで終わりではなかった。ある高貴な者が彼女に求婚したのだ。その者との婚約パーティーの日、また事件は起きてしまった。果たして、主人公の運命は? 【舞台や世界観、方向性】 大正を舞台にした作品。あやかしが存在する。 主人公に近づく者に不幸が起きることになった発端は徐々に明かされていく。そしてそれに纏わる物語も存在する。主人公があやかしと出逢うことにより、物語は今までとは違う方向へ進んでいく。 【主人公と登場人物について】 将来を諦めていた主人公に唯一求婚したのは、誰もが憧れる美貌を持った宮家の者だった。自分のせいで他人を不幸にしてしまう主人公は、喜びと同時に憂いも感じていた。何故なら、彼が不幸になってしまうのではと心配していたからである。しかし、帝の許可を得、いよいよ二人は正式に婚約することになったのだ。常に主人公に対し冷たい視線を向ける継母、とても気になる存在である。 【物語について】 自分のせいで不幸が起きたと自責の念に駆られてはいるものの、どんなことが起きたのかについては段々と明かされていく。そんな”噂”をされている主人公は、そのせいで縁に恵まれることはないと思っていた。 しかしそんな噂をものともせず、彼女を心から愛する者がいたのである。屋敷ではイジメにもあっていたようだが、婚約パーティーが行われることとなった日、ある事件が起きてしまう。彼女は一体どうなってしまうのだろうか? 物語は婚約発表のパーティーの日に起きた事件より、新たな展開を迎えていく。主人公の出生の秘密や母の視線の意味。そして彼女の所有する石に纏わる話など、徐々に謎の部分が明かされていく。 【良い点(箇条書き)】 ・言葉遣いや表現などにより時代らしさが出ている。 ・主人公が孤独であるというのが伝わって来る。 ・人間らしさを感じる物語である。 ・服装など細かく描写されており、色彩や華やかさも感じることができる。 ・謎の部分があり、ミステリーを読んだ時のようなハラハラドキドキ感がある。 ・あやかしものである設定が活きている。 ・あやかしと主人公が出逢った後の展開に面白味を感じる。 ・登場人物それぞれに個性を感じる。 ・ラストの想像がつかない。 【備考(補足)】9話まで拝読(10ページ) 【見どころ】 この物語は、はじめは主人公の置かれている立場や境遇から始まっていく。そこから徐々に主人公の周りで起きていることが明かされていくのである。言葉遣いや服装、表現などによりその時代らしさを表現している物語であり、華やかさもある。主人公が過去と繋がる伏線は多数散りばめられており、ミステリーを読む時のような、好奇心を刺激する要素もある。 あやかしという要素が活かされており、びっくりするような展開も待ち受けている。そして特記すべき点として、全ての人があやかしの術にかかっているわけではないということだ。これが意図的ならば、そのこと自体が、物語の結末に深く関わっているのでないか? という想像もできる。あらすじには”真実へと至る悲哀の終焉”とあるので、バッドエンドなのが予想できるのだが果たしてどんな結末となるのであろうか?  あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 主人公の行く先を是非その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/8/27
  • 投稿日:2021/10/30