自称モテない彼は、自分がモテる事を知らない
最終更新:2019/11/25
作品紹介
主人公の高城浩也は自分のことをモテない奴だと思っている。 中学時代、モテると言われていたサッカー部に所属していたが、女子からちやほやされる事は無かった。告白なども当然された事がない。友人にモテるイケメンがいた事もその思い込みに拍車をかける。 「まあモテる奴はあいつみたいな奴だな」 そう思い込んだ浩也は、自分はモテない側の人間だと結論付けた。でも真相は少し違う。 浩也は元々人見知りで男子はまだしも女子に対しては、仏頂面で愛想のかけらも無く、無意識に壁を築いていた。女子も築かれた壁の向こうから、遠巻きに視線を送るだけだった。身長もそこそこ高く、細身でカッコいいのだが、近寄りがたい、声のかけずらい存在。実はイケメンの友人が太陽と評されるなら、彼は月と評されその人気を二分する存在だったのにもかかわらず。 ただそんな浩也に転機が訪れる。 従姉の半強制的なお誘いでイタリアンレストランのウェイターを始める事になったのだ。浩也が年長者に対し人見知りを隠す為に編み出した猫かぶりモードを駆使して、何とか不慣れな接客業をこなしていると、浩也が築いていた不可侵の壁が少しずつ崩れ始め、浩也への距離が少しづつ近づけるものになる。既に近くにいたものは、周囲に女性が増えた事であせりや不安を覚え、距離が近くなった事に気付いたものは、少しでも近づこうと積極的になる。そう浩也を巡り、急に周囲の女子が慌しくなる。 ただ浩也だけ、自分がモテる事を知らない。
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