前世は魔王の俺ですが、今は気ままに猫やってる
最終更新:2020/5/10
作品紹介
――――もう二度と魔王なんかやりたくない。 『転生の丘』にやって来た時、魔王ロルフは真っ先にそう思った。 臣下にこき使われ、四天王には侮られ、民には疎まれる日々。治癒魔法特化の魔王は、何処まで頑張っても認められたりしない。 だったら、もうこんな命は捨ててしまおう。 勇者に殺され、『転生の丘』で『猫』になる道を選んだ魔王ロルフが、猫として街の人々と付き合っていく話。
評価・レビュー
4.0
ぱんだ郎
優しすぎた魔王様が猫として過ごすほのぼの野良猫ライフ
ブラック労働環境に疲れ果てた魔王様が、とある町の猫ちゃんに転生して様々な人や猫と暮らしていくお話です。そうです猫ちゃんです。可愛いんです。 もちろんこの作品の魅力はそれだけではありません。 特筆すべきは、心温まる人々との交流でしょう。文字数自体はそれほど多いものではないのですが、登場人物一人一人にキャラが立っておりこの町自体に愛着を持つこと間違いなし。人工的な"キャラクター"は一人もおらず、町に生きている一人の人物としての呼吸が感じられます。個人的には貧乏画家見習いの女性が好きです。 様々な人の思いを無駄なく簡潔に高い描写力で書き切っており、短いからこそのスッキリとした読了感があります。この世界観に浸るため何回も読み返してしまうほどの名作です。癒しを求める方は是非読んでみてください。 そして最後。猫ちゃんはやっぱり可愛い。
4.5
吉田銅太郎