由緒正しき軽装歩兵
最終更新:2023/6/16
作品紹介
「セニア・クライン、私はお前との婚約を破棄する!」 よりにもよって、将来、国を救うであろう聖騎士のセニアを断罪し、婚約を破棄したアスロック王国王太子のエヴァンズ。 先祖代々、千年以上、あえて軽装歩兵を行ってきた家系に生まれたシェルダン・ビーズリーは、直接の関わり合いはないものの、そんな王太子の下、腐敗した軍隊の現状と国の未来に失望し、国を出ることにした。 新天地の隣国、ドレシア帝国に居着いてなお、下級兵士軽装歩兵の身分、視線から眺める、半ば他人事のような魔塔と聖騎士を巡る戦い。他人事であろうとした。 シェルダンは己の人生を歩みつつも、聖騎士セニアに見出され、一連の争闘に否応なく巻き込まれていく。そして死んで家系を途絶えさせたくない一心から、あれやこれやと手を尽くしていく。 一方、祖国であるアスロック王国は聖騎士セニアを追放した後、皇太子エヴァンズ主導のもと、さらなる迷走を続けていく。 一人の人間として、人生を推し進めていこうとする中で、魔塔を巡る戦いが我が身の近くに迫ってくる。 軽装歩兵とはいえ、千年を超す家系に生まれたシェルダン。ただの軽装歩兵ではいられない。軍人としての責務と血を紡ぐ責任の間で揺れながらも、鎖鎌、身に着けた技や経験、判断能力、持てるすべてを活かして、強かに立ち回る。 アスロック王国、ドレシア帝国の両国に立つ魔塔5本を巡る人々の物語である。
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