これはデスゲームではない! エレナと人食いの邪本
最終更新:2022/8/10
作品紹介
手に取れば重くてズッシリとその存在を誇示するような重量。 厚みもそれなりの厚みで、中身を包んでいる表紙は本の中身を守るかのような厚み。 表紙の色はやや暗い茶色。 そして不思議なことにその本の表紙と裏表紙、さらには背表紙までに何ひとつ記載がない。 本来あるはずの本の題名、作者の名前である著者名すらない。 しかも、図柄も模様も一切存在しない。全くの無地。 その本を手に取りペラリと表紙をめくる。 一枚目は白紙。 その一枚目の裏面である二頁目も白紙。 そして、次の頁を見るために視線を動かす。 そして、次の頁を見るために視線を動かすと 【レミオン=コルスタン=ヴィヴィアン】の名前記述。 そして、その名前に続くように【コーネリア=ロマネティオ=ローレス】 さらに、【サルベジアン=ポールト=セシア】 【ロキシナーゼ=ベルトランド=コートレス】。 次の行列に移る………………………………。 誰なのかわからない人物の名前が延々と一頁。 その頁が終わり、次の頁をペラリと音を立ててめくる。 見開いて四頁と五頁も、誰なのかわからない名前がひたすらぎっしりと記載されている。 五頁めをペラリとおとをたててめくり、六頁目と七ページ目…………。 …………。 見開いた頁かボワッと燃え上がる青白い小さな炎が立ち上り、三人の名前の後ろでゆらゆらと動きだす。 まるで炎自体が意志を持っているようなゆっくりとした動き。 小さく、横に動いたかと思えば縦に動いたり、そしてまた横に動く。 炎の動きを目で追っていると、その動きが何を現しているのかがわかる。 文字だ。 炎を揺らめかせて動く炎の動きは文字を書いてると言っていい。 一文字目はエ。 エを刻み込もうする文字の動きだった。 三人の名前の続きに、エの一文字目が続き二文字目はレ。 レの文字を刻み込む。 そして、ナを刻み込む。 そうして刻み込まれたのはエ・レ・ナ・ミ・ラ・ー・ジュ・ク・リ・ス・ティ・ー・ン と刻み込まれ、青白く燃え上がっていた炎はパッと消失した。 【エレナ=ミラージュ=クリスティーン】
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