【元仲間】が目先の欲に駆られたばかりに【追放された戦術家】~今さら戻ってこいは虫が良すぎる。どうしてもと言うならコンサル料取りますが、落ちぶれパーティーに払えますか?~
最終更新:2022/8/15
作品紹介
「じゃあな、寄生虫。お前はもうクビだ」 そのように言われて、戦術家のジェーンはSランクパーティーから追放された。理由はメンバー全体がもう、ジェーンの戦術を全て理解したので用済みだということだった。 Fランク時代から共に戦ってきた信頼のおける仲間だと思っていたというのに、寄生虫扱いされたことが何よりもショックだったジェーンは、ただ黙って彼らの元を去る。 しかし、パーティメンバー達は知らなかった。ジェーンの戦術はいかなる事態にも対応できる臨機応変なアドリブこそ本領であり、これまでも数々の窮地を救っていたということを。 更にジェーンは戦術も一流だが、それと同じくらいに重要だったのが自己強化の暗示をかけて陰ながらパーティーを支えていたことだった。ジェーンのサポートがなければ、彼らはいまだにDランクにも満たない弱小パーティーでしかなかったのだ。 一方でパーティーを追放されたジェーンは、奴隷に身を落とした女騎士を救うこととなる。 「うそ……あなたの言うとおりにしたら、どうしてこんなにも力が漲るの……!?」 「それが君の本来の力だ。僕は少し手助けをしただけ。さあ、後は自分の身は自分で守るんだ。ついでに僕もね」 これを機に二人は行動を共にすることとなる。 前のパーティーに居た時はその実力をあまり知られていなかったジェーンだが、その戦術を駆使したクエスト攻略は瞬く間に知れ渡り、彼の元へは次々とクエストが舞い込んでくるのだった。 一方、ジェーンをクビにしたパーティーは、一気にどん底へと突き進むこととなる……。
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