勇者の愛猫
最終更新:2023/5/26
作品紹介
魔王は勇者テオドールの手により討伐された。その話題が王国に歓喜をもたらしたのは、まだ人々の記憶に新しい。 王都では、らしくもなく肩を落とした逞しい青年が、部屋の扉を開けた。 「今日も会ってもらえなかった」 花束を抱えて部屋に帰ってきた元勇者テオドールは、公爵家の御令嬢、婚約者シュザンヌと同じ名前の猫を抱きしめる。ふわふわの淡い色の美しい毛並みをもつ、青い瞳の猫シュザンヌは、少々情けないご主人を、今日も猫なりに、一生懸命慰めてやる。 会ってもくれない婚約者を、諦めることができないご主人と、愛猫シュザンヌの穏やかな生活は、魔王復活の知らせとともに終わった。 「かわいいシュザンヌ、かわいがってもらいなよ」 ご主人の言葉の意味を愛猫シュザンヌが気付いた時には、事態はもう取り返しがつかないことになっていた。 これは、魔王を倒した後の勇者と、勇者の大切なシュザンヌのお話。終わりから次へと始まる物語。 本編では、二人の語り手が、物語を紡いでいきます。 ハッピーエンドです。ノベルアッププラスにも投稿しております。また、カクヨムに同じ題名で、書き方が少し異なるものを投稿しております。 著作権は作者にあります。
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