落ちこぼれの成り上がり！　～不良品を生産するしか能がなかった外れスキル《規格外》が覚醒して何でもできるようになったので、誰もが賞賛するような国民的英雄を目指します～

　祝福を受けた人間は、誰もがスキルを与えられる。 　冒険者を夢見る少年テオドールも、幼馴染たちと祝福を受けた――のだが。 　彼に与えられたのはレアな割りに能力がしょぼい、《規格外》という外れスキルだった。 　規格外：製品や農作物などが、決められた基準に当てはまらないこと。別名、不良品。 　つまり彼のスキルは、不良品を生産する力とされていた。 　それが戦いに役立つはずもなく、元から落ちこぼれのテオドールはお荷物になっていく。 　徐々に開いて行く幼馴染たちとの実力差。それでもめげずに頑張っていたのだが、三年が経った頃には戦力外通告を受けてしまった。 　偶然街を訪れた勇者と聖騎士に鍛え上げられ、実力者となったまではいいが――不遇の時代が長すぎたようで。 　最底辺で長いこと過ごしていた彼は、いつの間にか承認欲求の権化と化していた。 　全ての力を名声上げと、ちやほやされるためだけに費やすと決めて、少年は立ち上がる。 　名誉欲に飢えた少年の、全力で賞賛されたい物語。