黒魔女さんたら、お手紙焼いた！

黒魔女と呼ばれるクレア・クレミシュッドは、うんざりしていた。 黒の魔塔に住む自分の元へ届いたのが、先日、自分が助けた第二王子からの手紙だったからだ。 内容は、いつも通りの黒魔女クレアへの求婚。 うんざりした黒魔女クレアは、王子の手紙を焼いてしまった！ 『うっかり焼いてしまったので、内容が分かりませんわ』 ……と、王子の従者を返してしまう黒魔女クレア。 王子から手紙が届く。黒魔女クレアはそれを焼く。 手紙を焼いて。焼いて。焼いて。 いつものように手紙を焼いた。 だけど、ある日。 「それは王子からの手紙じゃありません！」 「えっ！？」 　なんと、焼いてしまったのは白の魔塔に住む『白魔女』からの手紙だったらしい。 　慌てる黒魔女クレアだが、その内容は分からぬまま。 　仕方がないので、黒魔女クレアは、白魔女さんに手紙を書いた。 「先日のお手紙、ご用事は何かしら？」