片田舎で最弱のスライム駆除しているオッサンの俺が、魔王を倒した伝説の勇者だということはあまり知られていない。~残りの人生はゆっくりしたいから、世界の命運とかに巻き込まないでください~
最終更新:2023/7/8
作品紹介
現在から八年前、魔王は勇者ウィリスによって打倒された。 そのことに人々は歓喜したが、勇者だけは異なった理由で人目をはばからずに号泣する。彼はただ帰りたかったのだ。生まれ育った故郷であるカディスへ。 そして元勇者ウィリスは、故郷である片田舎カディスで汗を流していた。 しかし、ここで彼の素性を知る者は多くない。毎日のように村の老人たちのための雑用を行い、時たまスライムを駆除していた。そんなこともあってか、人々の中には彼を『雑魚のスライム狩り』と揶揄する者さえいる。 ウィリスの素性を知る者は、気遣いなどせず王都で暮らせばいいと言う者もいた。 だが、元勇者はそれを良しとせず、首を左右に振る。何故ならウィリスは、満足していたのだ。彼は元々世界の命運などには興味がなく、ただ手の届く範囲を守れればそれでよかった。 世界を救ったのも、その延長線の出来事に過ぎない。 だからこそ、ウィリスは大きな変化は求めない。 しかし、元勇者である彼を周囲が放っておくわけがなかった……。
評価・レビュー
まだレビューはありません。