雪桜の華冠
最終更新:2024/5/4
作品紹介
強力な魔法を扱える者によって統治された、統一国家エレメント。 その地で、地水火風、それぞれの魔法をもって領地を治める四大貴族は、領内の異種族を弾圧しながら、人間本位の社会を作り続けていた。 そのうちの一角、『火焔のヴェルメリオ』の長女として生を受けたフルール・ヴェルメリオは、四大貴族であるにも関わらず、生まれながらに魔法がほとんど使えない少女だった。 フルールは、陰で家族やメイドに馬鹿にされながらも、脆弱な魔法や時代遅れの剣術の鍛錬を繰り返す。 実らぬ努力。 見て見ぬふりをするしかない異種族の弾圧。 家族や周囲の侮蔑の視線。 そうしたものに囲まれて、彼女は育った。 四大貴族の令嬢として、期待された役目の一切を果たすことができなかったフルール。 彼女は父親から、同じように『とある事情』から魔法が使えなくなった四大令嬢、スノウ・リアズールとの政略結婚を命じられる。 魔法が使えない二人は、家や魔法主義社会から見放された身として、傷を舐め合うように日々を過ごしていた。 そんなある日、フルールとスノウは、四大貴族の支配からの解放を目指すレジスタンス、『エンバーズ』と巡り合う。 しかも、彼らは革命を成せずして志半ばで死んだ祖父、フレア・ヴェルメリオの意志を継ぐものだった。 仮初の安寧か、不安に追われる逃亡か、それとも…。 彼女らは、決断を迫られる。
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