収納魔法を極めた魔術師ですが勇者にパーティを追放されました。ちなみに俺の収納魔法って転移にも使えるし、さっき魔王軍四天王を倒したのも俺の魔法です。
最終更新:2021/8/22
作品紹介
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。結局、どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、幼い頃からの友人でもある勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従うことにした。 しかし彼は追放されてもなお、仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 気の良い勇者たちと一緒に食事がしたかった。 まだまだ共にやりたいことはたくさんあった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 彼は収納魔法しか使えない魔術師だった。ただしその収納魔法が万能で、遠く離れた場所に一瞬で移動ができる『転移』や、万物を両断する『空間切断』にも応用できた。 ケイトは魔王軍の四天王すら瞬殺する最強魔術師だったのだ。 だが彼は勇者に務めを果たさせるため、パーティーに在籍中は表立って活躍することはなかった。できるだけ目立つ行動は避け、こっそりと仲間たちの支援を行ってきた。 そんな最強魔術師の枷が解かれた。 自由に行動する機会を得てしまった。 『やって良いんだ』と気付いた彼を止められる者はいない。 勇者パーティーを追放されたケイトは強固な意志を持って自分自身に宣言する。 「俺が勇者に、魔王を倒させてやる」
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